第5戦 7月4日(日) オートスポーツランドスナガワ
夏の戦いに自信を与えるM2コンパウンド
N4茅野成樹が待望の今シーズン初優勝!


本格的夏の到来を前に舞台を北海道のオートスポーツランドスナガワに移して開催された全日本ジムカーナ第5戦。

 全日本ジムカーナは第5戦で中盤戦の山場を迎える。第4戦の九州から、会場は一気に北上し北海道のオートスポーツランドスナガワへ。梅雨のない北の大地、だが決勝当日の天気予報は曇り時々雨。道内陸部にかかる雨雲は局地的に集中豪雨をもたらすという気の抜けない予報だ。ところが現地に着くと夏を思わせる強い日差しが差し込んでいる。前戦の九州よりラインナップがそろったM2コンパウンド。多くの選手が装着し結果を出し始めている。70台が参加した今回の北海道ラウンド。チャンピオン争いが激化する夏以降の後半戦に向けて、大きな武器となっているのは間違いない。
 戦いの場となったオートスポーツランドスナガワ。石狩川の河川敷に作られたダートトライアルとジムカーナコースは、北海道モータースポーツのメッカだ。高速のカートコース部分に組み合わされるパドック前のパイロン区間。多くの選手が攻略のポイントにパイロン区間をあげた。N4クラスを戦う茅野成樹選手いわく、「グリップは高いんだけど、ラインを外れるとフロントが逃げてしまう。ストレートからしっかりスピードを落としてサイドターンすることが重要ですね」 とのこと。選手たちの願いが通じたのか? 周辺地域では集中豪雨のニュースが聞かれたが、ここスナガワでは表彰式が行われるまで雨は1滴も降ってこなかった。

2本ともトップタイムという圧倒的強さで、待望の今シーズン初優勝を遂げた茅野成樹ランサー・エボリューションIX。

 あと一歩というところで優勝を逃してきた今シーズンの茅野成樹。過去スナガワとの相性は良く、この地でチャンピオンを決めたこともある。10台が参加したN4クラス。前後M2コンパウンドを装着した茅野は、1本目から1分28秒659をマーク。多くの選手が2本目にタイムアップしエボX勢が食い込んでくるものの、茅野のタイムに届かない。それどころか茅野はわずかながら2本目にもタイムアップ。堂々と実力を見せつけた茅野が待望の今シーズン初優勝を遂げた。

なりふり構わない優先順位の変更で勝負にこだわった茅野。チャンピオン争いに向け大きな1勝となった。

 「優先順位をパイロンタッチなしに置きました(笑)。カッコ悪いけど車内に張り紙もしました。マージンを取り過ぎて走りには満足してませんけど、やっと1勝です。正直ここまでポイントは気にしてきませんでした。残り全部勝つつもりで戦いますわ」 と破顔一笑の茅野。SUGO、おおむたと連勝を飾った梅村伸一郎も4位に入る。本格的な夏に向け躍進を続けるダンロップ勢。後半戦に向けて大きな意味を持つリザルトとなった。

相性の良いオートスポーツランドスナガワ。過去2勝を挙げている自信が川北忠のアクセルを全開にさせた。

 全日本でただ一台のRX-8を駆って2007、2008年とスナガワで優勝を飾っている川北忠。今回も1本目で1分32秒175をたたき出しトップに立った。2本目に入りライバルたちがどんどんタイムアップし、川北のタイムを抜いてゆく。CR-Xやシビックなどの軽量FF勢に対して、前半に設置された高速コースでマージンを築くRX-8。これまでの好結果の自信に加え、初めて投入したM2コンパウンドが川北の背中を押した。2本目逆転の1分31秒909!これにはライバルたちも追いつくことができない。今シーズン2勝目でシリーズトップに1点差と詰め、チャンピオン争いに大きな意味を持つ白星となった。

M2コンパウンドでの戦いに自信を深めた川北。中盤戦から後半戦にかけて大きな武器を手に入れた。

 「前回の九州でM2が出たんですが、雨で使えなかった。実質今回がM2コンパウンドのデビューでした。2本目に入って、Nクラスの走りを見てたらタイムアップは厳しいかな?とも思いましたが、スタートしたらなんの不安もなく走ることができました。タイヤとクルマのマッチングが非常に良かった印象です。次の茂木がチャンピオン争いのポイントになってくると思います。(チャンピオン獲得に向け)獲りにいきます!」
 M2コンパウンドの登場で高温域での不安が消え、夏の戦いに自信を持った川北。次戦、茂木での活躍に期待しよう!

今回は3位だが、着実にスナガワの実戦データをつかんだ津川信次。

 今シーズンから投入したランサー・エボリューションXを共同でセットアップする川脇一晃と津川信次。今回も練習走行から貴重なセッティングデータを収集している。一本目は予想以上の路面温度に戸惑うなかで川脇が3位、津川が4位に入る。雲が広がり若干気温の下がった2本目には、各車タイムアップ合戦。今度はコンマ6秒の大幅タイムアップを果たした津川が川脇と入れ替わり3位表彰台をもぎ取った。「まだまだ会場に着いて、出たとこ勝負の状態だね。今回は路面温度が予想以上の高温になって、エボXの辛い部分が出ちゃったかな? 次も頑張りますよ」と津川がコメント。川脇は、「昨日まで出なかったトラブルが出ちゃった。もう気持ちは次に切り替わってますよ」と苦笑い。先行するライバルたちをしっかりと見定め、残り4戦を戦う。


 中盤戦の最後となる第6戦の舞台はツインリンクもてぎ北ショートコース。2輪やカートなどで使われる周回コースに、トリッキーなショートカットやパイロンターンが設置される。7月31日~8月1日という灼熱の中で行われるイベントに、高温域での自信を持ったダンロップ勢が挑む! 選手たちの活躍を期待しよう!!
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014