第2戦 4月24日(日) 名阪スポーツランド Cコース
川脇一晃 1年半ぶりの優勝!

震災による開幕戦中止。地元名阪での開催に遠ざかっていた優勝。今回の川脇一晃は、心中期するものがあった。

3月25日に鈴鹿サーキットで予定されていた第1戦が中止となってから約1ヶ月。実質上2011年の初戦となる全日本ジムカーナ第2戦が名阪スポーツランドコースで開催された。参加台数はイベント自粛の波を吹き飛ばすかのような驚きの180台! 所狭しと並べられた競技車両に震災による影響で開催が危ぶまれたという雰囲気は一掃された。今シーズンもダンロップ勢を引っ張るのは、SA3クラスの川脇一晃、「自粛ばかりを考えていてもしょうがない。たまたま被災しなかった僕ら選手たちまで萎縮してたら、経済まで止まってしまうからね」と語る。川脇のエボXはカラーリングが蛍光グリーンに変更された。さらにLEDの電飾が施されるなど、来場したファンに楽しんでもらえる仕様。パドックを共にする津川信次も、「シーズンオフにかなり細かいところまでセッティングしてきました。今年こそ表彰台の一番高いところに行きたいですね」とやる気一杯でシーズンインを迎えた。そして今シーズンからエボXに乗り換えたN4クラスの茅野成樹。「ミラーが大きくて視界の狭さに驚いてます。ウエットで走るのは今日が始めてだけど、手応えは充分ですよ」
 決勝前日の公開練習は風雨ともに強く冬のような寒さ。だが各選手とも翌日が楽しみなコメントだ。また、台数増加の大きな要因がPN部門の参加台数増加。PN部門は今年からストレートグルーブ有りのタイヤ限定で、競技用タイヤが禁止された。俗に「ノーマルタイヤ」や「ラジアルタイヤ」クラスと呼ばれるクラス分け。PN1が22台、PN2が5台で始めての成立。そしてPN3クラスが13台と一大勢力となった。「DIREZZA SPORT Z1スタースペック」のユーザーも多く、これから始まる全国の転戦でどう台数が増えてくるのかも楽しみだ。

カラーリングを蛍光グリーンに一新した川脇のエボX。ジムカーナファンに向け、川脇のこだわりが感じられる仕上がりだ。

歴代チャンピオンが集まり、ナンバー付き最速を争うSA3クラスには14台が参加。ランサー・エボXやGRBインプレッサといった現行4WD車両たちがしのぎを削るクラスだ。決勝1本目、雨は上がりドライコンディションなものの天候は曇りで風が強い。体感温度は冬並みに下がり、路面温度が上がらない状況の中で競技はスタートした。そんな中で1分19秒697を叩き出して、トップに立ったのは津川。これに19秒886で川脇が続く。
「今日は朝の気温が低かったけど昼には上がると踏んでた。S2コンパウンドは中温域までカバーしてるからイケるかなと。それとコース前半にターンセクションが多かったのも、ソフトを選んだ理由だね」と津川。思ったような結果が出ず苦しいシーズンを過ごした2010年を払拭するような走りだ。だが2本目に入っても太陽が出ては雲がそれを隠す。そんな繰り返しに歩調を合わすように、各クラスごとにタイムアップとダウンが入れ変わる。

1年半ぶりの優勝にガッツポーズの川脇。念願のチャンピオン獲得に向け、最高のスタートを切ることができた。

SA3の2本目、有力選手の先陣を切って川脇がスタート。前半セクションを抜けて中間タイムを見ると44秒039。1本目からコンマ5秒の大幅タイムアップにトップタイム更新の期待が……。太陽光線に蛍光グリーンのカラーリングが映える。ゴールしたタイムは1分18秒986と自己タイムを1秒近く更新。観客席から拍手と歓声が上がるなか、なんと次走車がコースアウトしていたのだ。砂煙をあげながら停止した津川は逆転の機会を逸してしまった。その後出走した有力選手たちも川脇のタイムを超えられない。1年半ぶりの優勝にガッツポーズの川脇。「今回はイイ流れで走れたね。1本目に大きなミスがあって、これを修正したら2本目にタイムアップできると思ってた。あと気になってたのは路面温度だったけど、SA3が走る頃には太陽が出てきてくれた。2本目にN4クラスの走りを見てたら少しフロントが逃げ気味になるかなという感じだった。1コーナーに入って修正できたので、そこからはタイヤを縦方向に使えた。中間タイムを聞いた後は、久しぶりにスイッチが入ったね」と喜び一杯の川脇。久しぶりの優勝とともに嬉しい理由がある。今回は会場に家族が来場していたのだ。「前も家族を連れてきた時に勝てた。今回は娘が始めて観にきてくれたので、親父としてはエエとこ見せたいのもあったかもしれないね」今ひとつ噛み合わなかった昨シーズンの結果。そこから一転、2011年はチャンピオンを目指し最高のスタートを切ることができた。

2本目コースアウトも攻めた結果のこと。練習走行から続く好調さに津川自身もしっかりと手応えを感じている。

痛恨のコースアウトを喫してしまった津川だが、攻めた上での結果。サバサバとした表情で語り始めた。「今回はクルマもタイヤもバッチリ合ってたね。アニキとのワンツーは嬉しいけど、もう少しタイムを詰めたかった(笑)。何百回もこのコース走ってるけど、あそこでコースアウトしたの初めてかも。ラバーがのった2本目もそれほど気にならなかったしね。今年はこの流れでゆきたいね」練習走行を通じて好調さを見せていた津川。2011シーズンこその思いも強い。川脇と共に最高のスタートを切った。

前日のピット作業中に右手くすり指を骨折してしまった東山晃。だが、仲間のサポートもあり運転に集中することができた。

ディフェンディングチャンピオンの不参加で台数が減ってしまったDクラス。昨年の最終戦までチャンピオンを争った東山晃が1本目1分15秒742を叩き出しトップに立つ。2本目に入ってこれに追従してきたのは、今シーズンは初戦から参戦してきた小林キュウテンのみ。だが15秒768とわずかに届かなかった。スタート前に優勝が決まった東山だったが、ここからが圧巻!各コーナーのクリッピングからキレイに立ち上がる、流れるような走りで叩き出したタイムは1分14秒772。1秒近くのタイムアップで小林を圧倒した。だが?……、「実は昨日の公開練習の時、ジャッキ作業中に右手薬指を地面に叩きつけてしまって…。腫れが引かないんで医者に見せたら骨折といわれて……。これは当日の作業が痛くてできないなと思っていたら、仲間が手伝ってくれたんです。だから走ることだけに集中できました。仲間に感謝ですね。それと今日は娘の2歳の誕生日なんです。多分覚えてないだろうと思いますが、娘に報告できますね」痛む薬指をテープで固定して走りきった東山。今後の戦いに影響がなければいいなと思ったが……。「去年お金をつかいすぎてしまったので、次と次はお休みします。参戦費用が工面できて、車も自分も調子が良くて。それで始めてチャンピオンが獲れる。うまくバランスさせるのは難しいですね」とのこと。まずは怪我を直し、体制が整ったところでの参戦を期待しよう。

6位までの入賞車全てが1分20秒に並ぶ超激戦となったN4クラス、ランサー・エボIXを駆る竹田宏太朗3位に食い込んだ。

有力選手の他クラスへの移籍や新型マシンの投入など、話題が豊富だったN4クラス。蓋を開けるとまれに見る激戦が展開された。なんと上位6台が同秒で並んだのだ。そんななか3位に食い込んだのは、エボIXを駆る竹田宏太朗。トップからは0.05秒、2位とは0.007秒差という僅差。勝負にタラレバは禁物だが、今シーズンの活躍に充分期待できる結果だろう。

ヴィッツでダブルエントリーする中根兄弟の弟卓也が2位に食い込む。トップからわずか0・007秒という僅差だ。

こちらも超接近戦となったN1クラス。トップからわずか0・007秒差で2位に入ったのは中根卓也。途中棄権となってしまった1本目から、2本目に入って一気にジャンプアップした。1台のヴィッツでダブルエントリーする兄弟で卓也は弟。今シーズンの活躍に期待しよう。次戦は初開催となる広島のTSタカタサーキット。初めてのコースでは、データの収集分析と柔軟性が試される。横一線に並んだ戦いにどの選手が飛び出してくるか?今から楽しみだ。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014