第1・2戦 4月5日(土)~4月6日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)
第1戦は参戦2年目の松井孝允選手が待望の初優勝!
第2戦はポールの国本雄資選手がトップを守って優勝!


第1戦、スタート直後の1コーナーに松井孝允選手を先頭に各マシンが進入

 4月5~6日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第1大会(第1戦、第2戦)が、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン開幕戦と併催された。舞台となる富士スピードウェイは、今年10月には、施設リニューアル後2回目となるF1日本グランプリが開催される。前半は高速セクション、後半はタイトコーナーが続くテクニカルセクションで構成され、攻めがいのある近代的なコースとなっている。
 富士スピードウェイでは、3月12~13日に2008年FCJ第1回テストが開催された。2日間ともにドライコンディションとなり、1日各3セッション、計6セッション(各1時間、計6時間)のテスト走行を行った。レースウィークに入った4月3~4日に計5セッションの第2回公式テストが行われ、後半の3セッションでベストタイムをマークした松井孝允選手が総合トップをマークし、小林崇志選手、国本雄資選手と続いた。

公式テストでの勢いをキープした松井孝允選手が第1戦のポールを獲得

●第1戦、第2戦予選

 FCJ第1戦と第2戦の予選は、それぞれ15分間の計測が10分のインターバルで行われた。予選当日は快晴で、午前9時5分にドライコンディションで第1戦の予選は計測が開始され、各マシンは次々とタイムを更新。テストから好調だった参戦2年目となる松井孝允選手と国本雄資選手のトップ争いとなった。まず、国本雄資選手が1分41秒台に突入。その後、松井孝允選手は、1分41秒577を叩き出して第1戦のポールポジションを決め、予選2位は国本雄資選手、予選3位はルーキーの三浦和樹選手。第1回公式テストで松井孝允選手がマークした1分41秒283には届かなかったが、トップ3が1分41秒台に入り、1分42秒011で予選4位となった細川健治選手までが、コースレコードを更新した。

第2戦では国本雄資選手がトップタイムをマークした

 10分間のインターバルで第2戦の予選がスタート。このセッションでは、今季2回の公式テストで2番手のタイムをマークした小林崇志選手が、最初に1分41秒台に突入。終盤には国本雄資選手と松井孝允選手も1分41秒台に入って、トップ争いを日展開。第2戦の予選のためにタイヤを温存していたという国本雄資選手が、狙いどおりにポールを決めた。予選2位は松井孝允選手、第1戦の予選は9位だった小林崇志選手が予選3位、予選4位にはルーキーの三浦和樹選手がつけた。第1戦、第2戦ともに予選5位をマークしたのは、参戦2年目の千代勝正選手だった。

松井孝允選手と国本雄資選手のトップ争いが展開された

●第1戦決勝レース

 ステップアップを目指す若手ドライバーが、イコールコンディションのフォーミュラマシンで実力伯仲のバトルを展開するFCJは、3年目を迎えた。15周で争われたFCJ第1戦は、予選が行われた土曜の午後12時54分にスタートが切られた。ポールの松井孝允選手が好スタートを決めてトップで1コーナーへ進入、予選2位の国本雄資選手が直後にピタリとつけた。3番手にはバツグンのスタートを決めた予選5位のルーキー千代勝正選手が浮上し、三浦和樹選手が4番手で続いた。予選4位の細川健治選手は、1コーナー進入でブレーキをロックさせて1周目は16番手までポジションダウン。

予選5位から好スタートを決めて3位入賞を果たした千代勝正選手

 松井孝允選手と国本雄資選手が激しいトップ争いを展開しながらレースをリード。その後方では、千代勝正選手と予選7位からジャンプアップしたルーキー佐藤公哉選手を先頭とした3番手争いのグループが形成されてレースは展開された。
 見応えのあるデッドヒートが続いたトップ争いと3番手争いだったが、逆転するには至らなかった。トップ4はスタートの1コーナーに進入した順位のままでチェッカーとなった。参戦2年目の松井孝允選手が待望の初優勝を達成。昨年は3回の優勝でランキング4位だった国本雄資選手が2位、参戦2年目の千代勝正選手が初表彰台を獲得。4位は佐藤公哉選手、5位は小林崇志選手、6位は三浦和樹選手。大きなアクシデントもなく、全車が完走という結果だった。

左から2位の国本雄資選手、優勝の松井孝允選手、3位の千代勝正選手

「スタートは可もなく不可もなかったのですが、そのあと(後ろから攻められたこともあって)いっぱいミスをして、まだ自分の思いどおりに攻めきれないところもありました。でも、後半は気持ちを切り替えて、ミラーを見ずに、前を追うことだけを考えて走りました。今日のことよりも明日のこと、次のことを考えて組み立てていかないと結果は出ないということで、自分の中では反省しています」と初優勝を決めた松井孝允選手。
「今日は2位で悔しいのですが、自分の力を出し切れたと思います。後半は松井クンがミスをしたので、後ろにピッタリとつけられたのですが、なかなか抜くチャンスはなく、抜けませんでした。オフシーズンのテストで自分が努力してきたことを結果で出したかったのですが、うまくいかず悔しいです。明日はトップからスタートなので、100%の力を出しきって優勝したいです」と決意を語る国本雄資選手。
「5番手スタートだったので、表彰台に上がるにはスタートを決めて1コーナーまでに前へ出たいと思っていました。自分の思いどおりに決まったので第1コーナーで3番手に上がれました。その後は前の2台には近づけず、その部分ではとても悔しいです。明日のレースではトップ集団に食らいついて、追かせるように頑張りたいです」と語る千代勝正選手。

第2戦ではポールの国本雄資選手が先行し、松井孝允選手が追う展開となった

●第2戦決勝レース

 レースウィークは好天に恵まれ、日曜日も快晴となった。FCJ第2戦は、フォーミュラ・ニッポンのフリー走行に続いて、午前9時30分にスタートというタイムスケジュール。第1戦より6周多い21周という周回数で争われる第2戦。各マシンが独自に調整できるのは空気圧だけというイコールコンディションで争われているFCJだけに、スタートは大きなポジションアップのチャンスとなる。

攻めのレースを見せた松井孝允選手だったが、2位でゴール

 ポールは国本雄資選手、2番手は松井孝允選手という第1戦とは逆のスターティンググリッドとなった。国本雄資選手は、ミスなくスタートを切り、トップを守って1コーナーに飛び込み、松井孝允選手は2番手をキープ。スタートで出遅れた予選3位の小林崇志選手が、予選5位の千代勝正選手に抜かれて4番手に後退。2コーナーの先に控えるコカ・コーラコーナーで、勢い余った千代勝正選手がスピン。その直後につけていた小林崇志選手は行き場を失ってコース外を走行し、接触もなく、なんとか3番手はキープしたが、トップ2台とは離れてしまった。そして4番手の三浦和樹選手らと第2グループとなって、レースは展開されていった。

3位でチェッカーを受けた小林崇志選手

 終始、安定した速さを発揮した国本雄資選手が、ポール・トゥ・ウインで、FCJ通算4勝目を飾った。松井孝允選手は、国本雄資選手に離されず追走したが、攻め切れずに1秒398差の2位となった。3位には2位から11秒196差と大きく遅れる形で小林崇志選手が入った。その後方では、予選8位の銘苅 翼とスタートの混乱で1周目には6位まで順位を落とした予選6位の中山雄一が4位争いを展開。6周目に中山雄一選手が銘苅 翼選手をパスして4番手に浮上し、3番手の小林崇志選手に迫ったが、そのままチェッカー。5位は銘苅 翼選手、6位には予選9位から追い上げた佐藤公哉選手。途中、スピンなどもあったが、リタイアは1台のみで25台が完走した。

左から2位の松井孝允選手、国本雄資優勝の選手、3位の小林崇志選手

「今日のレースでは昨日のリベンジができて、とてもうれしいです。序盤からうまく後続を離すことができて、後半は追いついてくるかと思ったのですが、自分のペースがとてもよくて、どんどん離れていったので楽になりました。今日は自分の100%の力を出し切ることができました。次の鈴鹿公式合同テストから自分のペースを作って、いい流れで優勝できるようにしたいです」と優勝を決めた国本雄資選手。
「スタートはよかったのですが、そこで前に出られなかったことが、今日負けたことの原因だと思います。ペースを上げていく国本選手に大きく離されはしなかったのですが、付いてはいけなかったので、それを次の鈴鹿までに修正して、自分なりに100%の力を出し切りたいと思います」と2位キープのままでゴールとなった松井孝允選手。
「スタートのコカ・コーラコーナーで、前のクルマがスピンしてそれ避けるためにコースの外に出ることになり、そこで前のクルマとの大きく差が開いてしまいました。自分のペースがよくなくて、前に離される形になり、とても悔しいレースでした。次の鈴鹿は自分のホームコースなので負けることはないと思いますので頑張ります」と3位の小林崇志選手。
 次回、FCJ第2大会(第3戦、第4戦)は、5月10~11日、鈴鹿サーキット(三重県)を舞台にフォーミュラ・ニッポン第2戦と併催される。
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ニュルブルクリンク2014