第11・12戦 8月25日(土)~8月26日(日) 富士スピードウェイ
第11戦は中嶋大祐選手がポール・トゥ・ウインで今季4勝目をマーク!
第12戦は予選2位の国本雄資が初優勝、兄の国本京佑選手が2位入賞


第11戦は、ポールの中嶋大祐選手が好スタートを決めてトップで1コーナーへ進入

 8月25~26日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第6大会(第11戦、第12戦)が、第1大会、第4大会に続き、今季3回目となる富士スピードウェイを舞台に開催された。長いストレートとテクニカルなコーナーが組み合わされた富士スピードウェイは、スリリングなパッシングシーンが期待されるコースだ。今回は、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦と併催されたが、約1カ月後にはF1日本GPが開催されるとあって、コースサイドにある仮設スタンドの設置もほぼ終わり、前回のレース時とは違った風景となっていた。
 FCJは、イコールコンディションに近づけるために、各ドライバーの使用マシン、エンジン、メカニックの組み合わせは抽選で決められる。第6大会を前に再び抽選が行われ、組み合わせがシャッフルされた。各ドライバーは、新たな体制でレースウィークの8月23~24日に行われた第9回公式練習に臨んだ。23日は2セッション、24日は3セッション、計5セッションの走行が行われた。総合でトップタイムをマークしたのは、SRS-Fから今季FCJにステップアップ、今季2回のポールポジションを決めている山本尚貴選手、2位は山内英輝選手、3位には糸田川和亮選手がつけた。

第11戦で今季4回目のポールをマークした中嶋大祐選手

第11戦、第12戦予選

 FCJ第11戦と第12戦の予選は、それぞれ15分間の計測が10分のインターバルを挟んで行われた。第11戦の予選は、土曜日の最初の走行として午前9時5分にスタート。快晴のドライコンディションのなか、熱いタイムアタックが続いた。最終的には、中嶋大祐選手が1分44秒040で、第9戦鈴鹿に次ぐ、今季4度目のポールポジションを獲得した。予選2位は松井孝允選手、予選3位には国本雄資がつけた。公式練習でトップタイムをマークした山本尚貴選手は、タイムが伸びずに予選4位に留まった。

第12戦でうれしい初ポールを決めた山内英輝選手

 続く第12戦の予選では、序盤から次々とトップタイムが更新されたが、今季、フォーミュラ・トヨタからFCJにステップアップした山内英輝選手が唯一1分43秒台に入るタイムをマークして、初のポールポジションを獲得。第11戦で予選3位に入った国本雄資選手が1分44秒062を刻んで予選2位につけた。予選3位には、雄資選手の兄であり、今季2勝を飾ってポイントランキングトップをキープしている国本京佑選手。2回の予選は、アクシデントもなく、終始安定した路面コンディションで無事に終了した。

右手を上げてトップでチェッカーを受ける中嶋大祐選手

第11戦決勝レース

 15周で争われるFCJ第11戦は、予選日の午後1時15分にスタート。ポールから飛び出した中嶋大祐選手は好スタートを決めてトップで1コーナーへ進入。予選トップ4は、そのままの順位をキープして1コーナーへ進入。だが、予選5位の山内英輝選手はギヤトラブルでエンジンストールでスタートできず、最後尾から追い上げ体制に入ったが、スタート前にマシンが動いたことで、ドライビングスルーペナルティが科せられてしまう。1周目のダンロップコーナーでは、3番手の国本雄資選手を4番手の山本尚貴選手がパスしたが、2周目の1コーナーでは国本雄資選手がアウトから並んで抜き返し、再び3番手を奪取した。

松井孝允選手と国本雄資選手の2位争い

 その後は、中嶋大祐選手がグングンと2番手以下を引き離してレースをリードしていった。後方では2番手の松井孝允選手を先頭に、国本雄資選手、山本尚貴選手、国本京佑選手が激しい接近戦を展開したが、最後まで順位は変わらないままでチェッカーとなった。レースは、中嶋大祐選手が2番手に6秒091のタイム差をつけて、独走で4回目のポール・トゥ・ウインを達成。2位の山本尚貴選手と3位の国本雄資選手は、ともに待望の初表彰台を獲得した。

左から2位の松井孝允選手、優勝の中嶋大祐選手、3位の国本雄資選手

「今回は後続が離れていたので、落ち着いてレースができました。大きなミスもなく、うまくまとめられました。明日は8位スタートなので、今日とは内容も変わると思いますが、できるだけ前でフィニッシュできるように頑張ります」とレースを振り返る中嶋大祐選手。
「途中からオーバーが強くなり、それに自分が合わせられなかったことが、今回離されてしまった原因というか課題です。1位を目指して頑張ります。」と語る松井孝允選手。
「1回抜かれましたが、すぐに抜き返せました。バトルができて楽しかったです。明日のレースは2番手なのでスタートで抜いて優勝したいです」と国本雄資選手は決意を語った。

第12戦は予選2位の国本雄資選手がスタートでトップに立ち、そのままレースをリード

第12戦決勝レース

 日曜日朝のフォーミュラ・ニッポンのフリー走行に続いて行われたFCJ第12戦。これは第11戦より6周多い21周で争われた。第11戦でトラブル見舞われた山内英輝選手だが、ポールからスタートした第12戦でも、エンジンストールで出遅れてしまった。1周目に14番手まで順位を落とした山内英輝選手は、2周目の1コーナー進入で後方から接触されてスピン、速さを生かせないままでリタイアとなった。山内を尻目にトップに踊り出たのは、第11戦で3位に入り、「スタートで抜いて優勝したい」と語っていた国本雄資選手だった。そして2番手には予選3位の国本京佑選手、予選5位の井口卓人選手、予選7位の松井孝允選手と続いた。

国本雄資選手を先頭にバトルが展開

 2周目の1コーナー進入では、2番手の国本京佑選手の直後でブレーキをロックさせてアウトに膨らんだ井口卓人選手のインを鋭く突いた松井孝允選手が3番手に浮上。その後もトップ集団は団子状態となって、激しいデッドヒートが展開されていった。その後は、トップ3は変わらず、その後方では井口卓人選手と中嶋大祐選手の激しい4番手争いが展開されていた。2台は、最終ラップまでテール・トゥ・ノーズで順位を入れ替えながらバトルを展開。ともにギリギリの戦いとなり、最後のダンロップコーナーで井口卓人選手が中嶋大祐選手を抜き去り、4番手を奪って決着した。
 レースは、国本雄資選手が初優勝を決めて、2位に国本京佑選手と、兄弟でワンツーを決めた

左から2位の国本京佑選手、優勝の国本雄資選手、3位の松井孝允選手

「スタートが決まってトップに出ることができました。途中もずっとプッシュして後ろが少しずつ離れていったので気が楽になりました。兄が後ろにいたので、少し安心できるような気持ちもありました。最高の日曜日になりました。次も優勝したいです」と国本雄資選手。
「スタートで2位に上がれて、大きなミスもなく2位でチェッカーを受けられました。弟に負けたのは悔しいですが、ワンツーが決められて、うれしい気持ちの方が大きいです。でも次からは、弟にもほかの人にも負けずに勝ちにいきます」とポイントリーダーの国本京佑選手。
「追い上げることしか考えずに走りました。自分の走りに集中して自分を信じてプッシュした結果だと思います」と、2位、3位とうれしい連続表彰台を獲得した松井孝允選手。
 第12戦終了時点でのポイントランキングは、1位国本京佑(139点)、2位田中誠也(114点)、3位中嶋大祐(106点)、4位山本尚貴(98点)、5位井口卓人(96点)、6位坂本雄也(56点)。第11戦で優勝した中嶋がランキング5位から3位に浮上した。

 次回、FCJ第7大会(第11戦、第12戦)は、9月15~16日、スポーツランドSUGO(宮城県)を舞台に、フォーミュラ・ニッポン第7戦と併催される。
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ニュルブルクリンク2014