特別戦 11月7日(日) オートパーク今庄
全日本戦初見参のオートパーク今庄に全国から149台が集結。
今年最後のお祭りイベントでダンロップ勢が6クラスを制覇!


オートパーク今庄は高台のギャラリー席からコース全体が見渡せ、トップ選手のライン取りなどがはっきりとわかるコースだ。

2010年の締めくくりは毎年開催場所が変わるJAFカップ オールジャパンダートトライアルで幕を閉じる。この大会は全日本選手はもちろんのこと、地方選手権を1年間戦い上位にランクした選手らが出場し、文字通り日本一を決めるビッグイベントだ。今年の舞台は福井県南部にあるオートパーク今庄。このダートラ場はコースオーナーが元全日本選手で、SA2クラスでチャンピオンを獲得した北村和浩選手がレイアウト設計にも携わっており、走って楽しいコース作りがされている。設備の面でも選手に嬉しい高圧洗浄の洗車場や二柱リフトも完備され、急なマシントラブルにも対応できると評判も高い。今回が初の全日本開催となるが、来年は全日本シリーズ開催が予定されており、今後はますます発展し中部地区のメイン会場になることは必至である。そんな会場に駆けつけた選手は149名。1本目は散水等の影響でウエットコンディションだったが2本目超硬質路面が出るドライでの勝負。秋晴れの広がる絶好のコースコンディションに熱いバトルが繰り広げられた。

全日本チャンプの川島秀樹(スイフト)が貫禄を見せ付けてPNクラス優勝を果たした。

今年から新設されたPNクラスは完璧なウエット路面でスタートし、「DIREZZA 74R」をチョイスした全日本チャンピオンの川島秀樹(スイフト)が1本目から1分39秒506というトップタイムを出しまず貫禄を見せ付けた。ドライ路面となった2本目には他のダンロップユーザーが「SP 85R」をチョイスする中、川島の選んだタイヤは超硬質路面用の「SP 91R」だった。これが功を奏し2位の鳥居晴彦(デミオ)にコンマ5秒差をつける1分35秒558のベストタイムを出しダンロップ勢最初のウイナーとなった。3位は全日本3位のダンロップユーザー長田聖人(スイフト)が入りランキング通りの順位に終った。

N1クラスも全日本チャンプ内藤聡(インテグラ)が実力どおりの優勝を果たした。

続くN1クラスは中部地区1位のダンロップユーザー若干20歳の若手、山本悠太(ミラージュ)が1分36秒072でベストタイムをたたき出した。しかし2本目は並み居る強豪に破れ下位に甘んじる結果となった。それでも今後が楽しみな選手であることは間違いない。優勝したのは全日本チャンピオンの内藤聡(インテグラ)。唯一30秒台の1分30秒848を出した。2位には関東地区シリーズ5位の坂井義浩(インテグラ)が入賞し。3位も九州ランク2位の今村宏臣(インテグラ)が入り全日本ランカーの河石潤(NSX)を4位に追いやり下克上のクラスとなった。また、5位の花見誠(インテグラ)、6位の森田英文(インテグラ)が入りダンロップユーザーで表彰台を独占する結果となった。

N2クラスで唯一91Rを履いた西田裕一(ブーン)がタイヤの優位性から優勝を果たした。

N2クラスはダンロップユーザーの全日本チャンピオン佐籐秀昭(ストーリア)が1本目に1分32秒100でベストタイムを出しあっさりと優勝するかと思われた。しかし好じ魔多し、2本目に大きく振られたところでよもやの転倒となってしまった。それでも1本目のタイムで6位に入賞した。優勝したのは今シーズン北海道砂川ラウンドで1勝を挙げている西田裕一(ブーン)だ。ダンロップユーザーの中で唯一「SP 91R」をチョイスしており、他の選手にアドバンテージをつける結果となった。2位には一昨年のSC2クラスチャンプの青木辰之(ブーン)が実力を見せ付けた。3位には全日本で2連勝中だった伊藤益弘が入賞。4位の村田康介(ストーリア)もダンロップユーザーでこのクラスも上位を独占する大活躍となった。

N3クラスは広島ラウンド2位の余勢を駆って信田政晴(ランサー)が嬉しいビッグタイトルを手にした。

N3クラスは1本目で全日本2位の吉村修(ランサー)がトップタイムをマークし実力通りの結果と思われた。2本目に入り、1本目2番手タイムを出していた前半ゼッケンの松原功治(ランサー)が1分27秒034を出しターゲットタイムに。このタイムを矢本裕之(ランサー)に1分25秒460で破られた。その4台あとの全日本ランキング8位の信田政晴(ランサー)が全日本最終戦広島ラウンド2位の好調を維持し1分24秒987を出しトップに立った。続く影山浩一郎(ランサー)、赤羽政幸(ランサー)、佐藤隆行(ランサー)にも破ることが出来ず、最終ゼッケンの吉村がスタート。しかし途中でトラブルからスローダウンし,信田のビッグイベント初優勝となった。

小山健一(シビック)がSA1クラスでパーフェクトウィンを果たした。

SA1クラスはN2の関西勢に代わってこちらは関東勢が大活躍した。まず優勝したのが関東ランク2位の小山健一(シビック)。1本目、2本目ともベストタイムで走るパーフェクトウィン。2位にはシーズン途中からの全日本参戦となった市村弘義(シビック)。1本目にダートラをやって初のミスコースを犯しメンタルな部分で2本目を攻め切れなかったようだ。そして3位に関東4位の佐藤孝(シビック)。4位も関東3位の水野喜文(インテグラ)が入賞。ダンロップ勢が上位4台を独占する結果となった。

SA2全日本チャンプの北村和浩(ランサー)がオーバーオールのタイムで優勝を果たした。

SA2にはこの人しかいないだろう。北村和浩(ランサー)だ。北村はこのコースを誰よりも良く知り走りこんでいるといっても過言ではない。しかしまた、そのことが大きなプレッシャーとなり北村自身に覆いかぶさっているのも事実だ。そんな中でもチャンプ北村はすばらしい走りを見せ1本目はこの大会を最後に引退する櫛田正文(ランサー)に1秒以上の差をつける1分26秒828のベストタイム。2本目は逆転で2位に入った高橋浩樹(ランサー)に1.5秒の差をつける完璧な走りで優勝した。この北村の出したタイム1分22秒565はなんとオーバーオールのタイム。いかにすばらしい走りだったかが伺える。一方、櫛田は最後の大会でなんとか3位に入賞し、惜しまれながらの引退となった。


今回のダートラでは9クラス中6クラスでダンロップ勢が勝利を収めた。来年度は更なる活躍で全クラス制覇といきたいものだ。