第8戦 10月10日(日) テクニックステージタカタ
最終戦で勝率7割のダンロップ勢!
2クラスのタイトル獲得を加え、全10クラス中7クラスでチャンピオンに輝く!


今年も最終戦の地となったタカタ。前日までの悪天候から回復、快晴の中競技はスタートした。

2010年シーズンの全日本ダートトライアル選手権も最終戦を迎え、春から始まったタイトル争いもこの最終戦で遂に決着となる。戦いの舞台は毎年恒例となった最終戦の地「テクニックステージタカタ」。広島県は安芸高田市にあるこのテクニックステージタカタはダートトライアルコースに加えオートバイのモトクロスコースや舗装路のミニサーキットも設備される中国地方を代表するモータースポーツのメッカである。ダートコースも特徴的で立体交差を含めたテクニカルなコースに硬質な路面で砂煙が上がりやすいと言った特徴を持っている。前日の土曜日は朝から一日中雨に見舞われたが、決勝当日の朝には昨日丸一日降り続いた雨は上がっていた。午前の1本目は昨日の雨による影響が路面に残っている事、コースコンディションが回復に向かっている事などを考えると、午後の2本目が勝負所となると予想される。
ダンロップユーザーはこのコースコンディションを踏まえ「DIREZZA 86RW」、「DIREZZA 74R」、「SP SPORT 73-R」のウエット路面に対応したタイヤ選択で最終戦の1本目へと挑んだ。

ランキング3位からの逆転劇。内藤聡(インテグラ)が勝利でタイトル獲得を成し遂げた!

ポイントランキングの上位3名が僅か3ポイント差でタイトルを争うN1クラス。現在のポイントランキングトップは77ポイントの黒木陽介(インテグラ)、そして同じ74ポイントで並ぶ森田英文(インテグラ)と内藤聡(インテグラ)に67ポイントの本多を加えた4名で熾烈なタイトル争いが展開されると予想。迎えた1本目、最終走者でタイトル獲得の可能性がある2009年のチャンピオン本多智治(インテグラ)を残し黒木が2分07秒162で暫定トップに立つ。これに対し森田と内藤はペースを崩してしまい5位以下となってしまう。そして最終走者の本多は黒木のタイムを上回る2分07秒147で1本目のトップに立ちその存在をアピールする。迎えた午後の2本目、黒木、森田、内藤に本多を加えた最終決戦が始まり、最初に走行を迎えたのは1本目9位の内藤。そのタイムは1本目の記録を大きく上回る2分01秒365で暫定トップに立ち、この時点で僅かに残されていた本多のタイトル獲得の可能性が絶たれてしまった。続いて黒木が走行するがタイムは2分02秒728と内藤のタイムに1秒以上も届かず2番手となる。そして残すは森田の走行のみ、その森田はいまいちリズムに乗れず結果は2分03秒300の5位でフィニッシュ。結果、ポイントランキング3位の内藤が第4戦のスナガワ以来の優勝を飾ると共に逆転で2010年のチャンピオンに見事輝いた。

前戦に続く快進撃!伊藤益弘(ブーン)が最終戦を制し連勝を達成!

前戦でダンロップユーザーの佐藤秀昭(ストーリア)がタイトルを決めたN2クラス。チャンピオンは決定したが残る2位の座を賭けての伊藤益弘(ブーン)と西田裕一(ブーン)の戦いが見所となる。1本目では回復に向かう路面状況ながら前戦でタイトルを決め、好調な佐藤が2分04秒282のタイムでトップに立ち、伊藤が2位、西田が3位とポイントランキング順で続き午後の2本目へと折り返した。その2本目、上位3名では西田が先にスタートを切りトップタイム更新に期待が掛かる。しかし西田のタイムは遅れをとってしまい現時点で4番手となる。この結果を知らず走行を開始した伊藤は気合の入った走りで2分01秒342のトップタイム更新を成功。この時点でシリーズ2位の座を獲得した。残る佐藤は不運にもマシントラブルで走行不可能となり6位となった。優勝は前戦のコスモスパークに続き連勝を達成した伊藤。今シーズン3勝で有効ポイントを95としてシリーズ2位の座を獲得した。

吉村修(ランサー) が最終戦でパーフェクトウィンを飾り、その実力を見せ付けた!

前戦で、ダンロップユーザーの北島広美(ランサー)によってチャンピオンが決まり、2位の座を賭け、熱戦の展開となったN3クラス。1本目、ウエット路面に対してチャンピオンの北島が1分56秒389のトップタイムをマークするが吉村修(ランサー)がシード勢の意地を見せ1分55秒764で北島のトップタイムを塗り替え1本目を首位で終えた。勝敗が決まる2本目では、ダンロップユーザーでノーシードの信田政晴(ランサー)がこの2本目で大幅なタイムアップを成功させ1分54秒001をマーク。それまでのトップタイムを2秒以上も上回り優勝争いへと突如割って入った。チャンピオンの北島もこのタイムを敗れず3位がやっとの状態。シード勢も北島同様にタイムを伸ばす事が出来ず、上位から外れるといった波乱の展開を見せた。
結果、最終走行者の吉村がマークしたタイムは1分53秒139。1本目に続いてトップタイムを塗り替える走りを見せ、パーフェクトウィンを飾った。ポイントランキングでも2位を確実なものとし、吉村は今シーズンを最良なかたちで終えることができた。

チャンピオン山崎利博(シビック)が最終戦を制しシーズン5勝を達成!

前戦でダンロップユーザーの山崎利博(シビック)が2年連続のチャンピオンに輝いたSA1クラス。すでに山崎のタイトルが決まっているが2位争いがこの最終戦にまで縺れ込んだ。2位を争うのは75ポイントの柴田一洋と73ポイントの清野タカシ、どちらもダンロップユーザーでありダンロップファンからしてみればどちらにも頑張って欲しい状況である。1本目で唯一の2分05秒台をマークし抜け出たのはノーシードでダンロップユーザーの市村弘義(シビック)。これに2分06秒台の柴田が2位、山崎が3位で続き清野が5位で1本目を終える。2本目では1本目で好調だったノーシードの市村が2分00秒139で1本目同様にトップに立つ。清野がこれを逆転すべくスタートするも0秒149差で市村に届かず現時点で2番手となってしまう。そして続く1本目で2位だった柴田は2分02秒564とトップの市村に2秒以上も届かない結果となってしまいこの時点で7位に留まった。そして残るは最終走者、チャンピオンの山崎が走行。その山崎は1本目で出した自身のタイムを6秒以上も上回る2分00秒072をマークし市村を交わして逆転でトップへ立った。結果、優勝は山崎、前戦でのタイトル獲得に続きこの最終戦でも優勝を飾り、今シーズン5勝目をマークした。注目のランキング2位争いは、清野が3位、柴田が8位で終わった事で、清野が逆転勝ちでその座を射止めた。

タイトルは逃したが最終戦を優勝で締めくくった工藤清美(シビック)

N1クラスと同じく、この最終戦までに僅か3ポイント差に3名がタイトル争う展開を見せるSC1クラス。この最終戦までにもつれた戦いは92ポイントで太田雅文(ランサー)が首位。2位には2ポイント差90ポイントのダンロップユーザー工藤清美(シビック)、3位には同じくダンロップユーザーで89ポイントの児島泰(シビック)がこの最終戦でタイトルを賭けて争う。しかし有効ポイントの関係で工藤が仮に優勝しても太田が5位以内であれば太田のタイトル獲得といった厳しい状況である。注目の1本目、児島が2分02秒579で予想どおりにトップタイムを更新して1位になると、続く工藤は0秒106差で届かず2位、そして太田が走行し2分02秒167で児島を交わして1本目を太田、児島、工藤の順で終了。上位3台が02秒台と拮抗する展開をみせ、2本目でも誰が有利になるかはこの時点で予想がつかない。そして迎えた2本目、先に走行する児島にトップタイム更新の期待が掛かるが結果はシード勢の5台を残し、この時点で2分00秒226というタイムは3位になってしまう。シード勢の走行が始まり、その一人である工藤は2分を切る1分58秒840でタイトル獲得に繋げるトップタイム更新を成功させ残る太田の走行を待つ。その太田は中間計測も工藤とほぼ変わらないペースで走行し工藤を追い詰めるがゴール後のタイムは1分59秒451と3位に留まる。結果、工藤は太田を抑え優勝を獲得。しかし太田が3位に入賞した事でタイトルは太田のものとなってしまう。惜しくもタイトルを逃した工藤だが最終戦までタイトルを争う大健闘をみせてくれた。是非とも来年はタイトルを獲得して欲しい。

最終戦を制した伊豆田浩三(セルボモード)がタイトルも手中に収める。

5台とクラス最少でのエントリー台数となったSC2クラス。前戦に続いて無事開催を迎えたこのクラスはタイトル争いもこの最終戦まで持ち越された。開幕戦のおおむたで優勝し前戦のコスモスパークで3位に入賞した伊豆田浩三(セルボモード)が現在32ポイントで首位に立ち、これを7ポイント差の25ポイントで岩田真理(ストーリア)と永田誠(ストーリア)が並び、実質この3名にタイトル獲得が絞られた。その予想どおりに1本目からこの3名がトップを争う。岩田が2分04秒726でトップ、2番手には2分04秒256で永田が続き、3番手に2分05秒523で伊豆田といった順位で1本目を終えた。路面状態も回復に向かいタイムアップが見込まれる午後の2本目。3名の中で先に走行する永田は2分を切る1分59秒042をマークし5秒以上のタイムアップを果たし暫定でトップを獲得する。続く伊豆田のタイムは1分58秒395と0秒647差で永田のタイムを交わし見事にトップを奪う。残るは最終走者の岩田。ゴールを迎えたタイムは2分00秒958で2分を切る事が出来ず3位に留まる事となった。この結果、優勝は伊豆田が獲得し今シーズン2勝目となった。この優勝で文句無しの2010年のSC2クラスのチャンピオンへと輝いた。

宮入友秀(ランサー)がシリーズ最終戦を完全勝利で締めくくる!

2010年のチャンピオン炭山義昭(ランサー)が不参加となり激戦区となったDクラス。ダートトライアル特有のハイパワーマシンが疾走するこのクラスはダートトライアルを代表するクラスとも言える。そのDクラスでダンロップユーザーが大活躍をみせた。ポイントランキング3位につけるダンロップユーザーの宮入友秀(ランサー)が1本目で1分53秒582をマークしトップに立つと2本目でも好調に2秒799のタイムアップを果たし1分50秒783のトップタイムでパーフェクトウィンを達成させた。これで宮入は今シーズン2勝目、ポイントランキングでも3位を不動のものとし今シーズンを締めくくった。
これにダンロップユーザーの中本吉彦(インプレッサ)が2位を獲得。更には望月浩孝(インプレッサ)が3位となり表彰台はダンロップユーザーで独占となった。


シーズン最終戦で7クラスを制覇する活躍を見せたダンロップ勢、今年のシリーズはこれで一旦は終了となるが、この後には毎年恒例のオールスター戦がオートパーク今庄で約一ヶ月後に開催を迎える。ここでも繰り広げられるダンロップユーザーの活躍に期待して欲しい。