第6戦 8月29日(日) モーターランド野沢
6クラスを制したダンロップ勢!
その内、3クラスでダンロップがタイトル決定!


クラス転向1年で見事チャンピオンに輝いた川島秀樹(スイフト)。

 全8戦で争われる全日本ダートトライアル選手権も残すはあと3戦。前回のサーキットパーク切谷内から中3週間を挟み8月29日に第6戦が開幕を迎えた。戦いの会場となるのは全日本初開催となるモーターランド野沢。長野県の北部に位置し新潟県との県境、温泉で有名な野沢温泉村にモーターランド野沢がある。周りは自然豊な山々に囲まれ信州らしい立地条件の会場となった。
決勝当日の天候は晴れ間が広がり、朝の時点での気温は23度程でモータースポーツが開催されるには申し分無い状況だったが、猛暑が続いている今年はモーターランド野沢でも日中の気温は30度を超え、ドライバーやマシンへ過酷な状況となった。そんな暑さでも最高のパフォーマンスを発揮してくれるダンロップタイヤ。これを履く選手達の活躍に期待がかかる。

川島がダンロップ勢一番乗りでタイトルを決めた。

 8台のエントリーで争われたPNクラス。ポイントランキングトップに立つ川島秀樹(スイフト)は2位に32ポイント差を付けている。この結果次第ではタイトル獲得が決まる重要な戦いとなっている。注目を集めた川島の1本目は同じダンロップユーザーの菊池克彦(デミオ)の1分43秒142に続く1分43秒348で2位に着け2本目に備える。その2本目では路面も引き締まり1本目よりタイムアップを見込める。そんな状況を活かし各車がタイムアップする中、最終走者の川島が走行を迎える時点でのトップは1分39秒451をマークした長田聖人(スイフト)。チャンピオンを賭けた川島の走りはいつも以上に気合の入っている事が外からでも感じられ1分38秒336のトップタイムを見事マーク。これにより2010年度のPNクラスチャンピオン獲得が決定した。表彰時のインタビューで残り2戦も気を緩めず挑みますと次戦への強い意気込みを語った。

この今季初優勝でタイトル戦線に留まった森田英文(インテグラ)。

 ナンバー付き車両で改造範囲が狭く、2輪駆動のみで行なわれるN1クラス。このクラスでは前戦の切谷内で初優勝を飾った本多智治(シビック)がランキングトップに立ち、これと同じく一勝を挙げる黒木陽介(インテグラ)、内藤聡(インテグラ)が続きタイトルを争いを繰り広げている。決勝での1本目、シード勢の黒木が1分36秒600でトップに立つと、第3戦の門前で優勝を飾ったノーシードの広上徹(インテグラ)が1分38秒105でシード勢の戦いに割って入った。2本目ではその広上が1分35秒455でトップタイムを更新するとシード勢の最初の走者、内藤がこのタイムをコンマ034秒で更新に成功する。その後のシード勢でも内藤のタイムを更新するには難しく、迎えた森田英文(インテグラ)が唯一の34秒台となる1分34秒522で見事トップタイムを塗り替えた。森田は今季初の優勝を獲得しポイントランキングでもトップとの差を8ポイントまで縮め、タイトル獲得に望みを繋げる1勝となった。

オーバーオールウィンで文句無しのチャンピオンに輝いた佐藤秀昭(ストーリア)。

 ポイントランキングトップの佐藤秀昭(ストーリア)がタイトルに王手をかけたN2クラス。その佐藤と同じダンロップタイヤを履くシード勢のライバル達がこのN2クラスには多く、毎回勝者を簡単には予想できない。迎えた1本目、シード勢が好調にトップタイム更新を走行順に続け、ポイントランキングでは佐藤に続く2位の西田裕一(ブーン)が1分34秒770をマークし佐藤の走行時点のトップは西田が立っていた。そして念願のチャンピオン獲得に向け1本目に挑んだ佐藤のタイムは1分33秒332、それまでの西田のタイムを1秒以上も上回るトップタイムを叩き出し1本目をトップで折り返す。

惜しい結果が近年続いたが遂に念願となるタイトル獲得を果たした佐藤秀昭。

今シーズンの行方が決まる2本目、
シード勢では早い走行順を迎える山岡功明(ブーン)が1分32秒649でトップに立つと続
く西田や伊藤益弘(ブーン)は惜しくも33秒台に留まり、山岡が暫定首位を守っていた。
そして佐藤の2本目。山岡のタイムを上回るかが注目を集め、N2クラスのクライマックス
を迎える。佐藤がマークしたタイムは1分31秒597。1秒052のトップタイム更新に成功し
た佐藤が見事優勝を飾ると同時に、念願のN2クラスのタイトルをその手に納める事とな
った。

タイトル獲得には是が非でも欲しかった一勝を手にした北島広実(ランサー)。

 前戦の終了時点で吉村修(ランサー)と北島広実(ランサー)が同ポイントでランキングトップに並びタイトル獲得の激しさを見せるN3クラス。この第6戦でもこの二人の戦いが1本目から勃発。前戦で優勝を飾った吉村がこの野沢でも勢いに乗り1本目からトップタイムをマークし2番手に北島を従える形で1本目を終えた。午後の2本目では北島が1分25秒966と大幅にタイムアップを成功させると、続くシード勢は北島の出したタイムには届かず27秒台がやっという状況で最終走者の吉村を迎える。1本目の時と同じく北島と吉村の一騎打ちとなり勝った方がポイントランキングで首位となる。走行する吉村は各セクションをミス無くクリアしゴールラインを過ぎ会場には吉村のタイムがアナウンスされた。そのタイムは1分26秒081。北島のタイムにコンマ115秒届かず2番手となる。優勝を飾った北島は今季初優勝でポイントランキング首位をキープ。最終戦までタイトル決定がもつれ込みそうなN3クラスの戦いに今後も注目だ。

柴田一洋(インテグラ)が2年ぶりの優勝を飾り完全復帰を果たす。

 大半のエントリー車両がシビックとインテグラで占められるSA1クラス。現在は3勝を挙げ首位に立つ山崎利博(シビック)と1勝ながら山崎との差を5ポイントで追いかける清野タカシ(シビック)、この二人がタイトル獲得に有力となっているがこの野沢では1本目から他を交えての厳しい戦いを繰り広げる。トップに立ったのは現在ポイントランキング4位の市村弘義(シビック)、2番手に清野、3番手に水野善文(インテグラ)とシードもノーシードも関係ない戦いとなった。2本目でも市村が1分32秒091でトップタイムを更新すると清野も32秒台をマークするが市村のタイムを超えられず現時点で2番手に留まる。そして1本目で5番手だった柴田一洋(インテグラ)がここで1分32秒043のタイムを叩き出し市村に代わりトップに立つ。そして、残る山崎の走行に会場は注目を集めた。が、しかし、山崎のタイムは1分32秒722、トップの柴田と僅か0.679秒差で5番手となってしまう。結果5位までが32秒台になる接戦を繰り広げたこのクラスの優勝は柴田。2年ぶりとなる久々の優勝を飾った柴田はポイントランキングでも3位を守り逆転のタイトル獲得に望みを繋げた。

ニューマシンで3勝目となる勝利を挙げた北村和浩(ランサー)。

 エントリーが全車ランサーとなり激しい戦いを繰り広げたSA2クラス。このクラスでもダンロップユーザーのタイトル獲得の可能性が出てきた。その可能性のある選手は現在、3勝を挙げポイントランキングトップの北村和浩(ランサー)。第2戦の丸和でニューマシンを投入し見事、デビューウィンを達成。その後の2戦はやや不振ぎみだったが前戦の切谷内で優勝を果たし本調子を取り戻した北村。その調子を維持してこの野沢のコースとライバル達に挑んで行った。1本目ではその北村を抑えランキング3位の松田周一(ランサー)が1分26秒769のトップタイムで首位に立つと北村の結果は4位で午後からの2本目に逆転を目指す。

北村にしては少し控えめな感じのする表彰式となった。

 このSA2クラスはここ最近ではノーシード勢が上位に入りシード勢との力の差を感じさせない結果を見せているだけに、北村のライバルはクラス全員となっていた。1本目と同じく松田が1分25秒458で早くもタイムアップを成功させトップに立つと、1本目と同様にこのタイムをシード勢が破る事が出来ずにいる。ランキングトップとシード勢の意地を掛けた北村が野沢のコースに最後のコースイン。注目の北村が出したタイムは松田のタイムを1秒258更新する1分24秒200。残る最終走者の荒井信介(ランサー)もこのタイムには及ばず、北村の優勝が決定。2戦を残し今シーズンのタイトルを獲得した北村。表彰式では「自分を支えてくれたチームに感謝したい」とチーム全体で得たタイトルに終止笑みが絶えない表彰式となった。


 全8戦で行なわれる2010シーズンも残すは後2戦。この第6戦で4クラスがタイトルを決め、その内3クラスをダンロップユーザーが獲得する活躍を見せた。次戦は第7戦の京都コスモスパークに戦いの場を移す。この次戦でもタイトル獲得を狙うダンロップユーザーの活躍を是非とも応援して欲しい。