第5戦 8月7日(日) サーキットパーク切谷内
全9クラス中8クラスでダンロップが優勝!
平塚忠博も7年ぶりの優勝を飾る


今年も無事開催された切谷内ラウンド。東北地区のダートラファンにとって今年ほど待ち望んでいた開催はないであろう。

3.11の東北大震災以来、イベント開催の動向に注目が集まっていた全日本ダートラ第5戦。青森県三戸郡にあるサーキットパーク切谷内をはじめ、主催者の強い意志により早い段階から開催が表明されていた。切谷内といえばダートラ選手にとっては、硬質路面の代表格といえるダートラ場。散水の水が捌ければ、1本目から超硬質路面用のタイヤチョイスの充分考えられる路面コンディションが出来上がる。今回の天候は曇りと晴れ間が連続、不安定なものだったが、雨は一滴も降ってこなかった。今シーズン投入され、硬質路面からウエットまでカバーするニュータイヤ87Rか?それとも超硬質路面にターゲットを絞った91Rか?104台が参加して行われた第5戦の模様を早速お届けしよう。

第4戦のスナガワに続き連勝を飾った佐藤卓也。1本目3位からの逆転劇に東北から参加の選手にも大きな力を与えてくれた。これでシリーズ上位勢とのポイント差も詰まってきた。

各地で参加車両が増えつつあるPNクラスの車両。今回もスイフト、デミオ、フィットと車種バラエティも豊富だ。1本目トップに立ったのは、中部のベテラン鳥居晴彦。1分48秒901と、このクラスただひとりの48秒台。2本目に入って大幅にタイムがアップする中で速さを見せたのは、東北の佐藤卓也。北海道スナガワで行われた第4戦で優勝を飾り、波に乗る佐藤。各コーナーを目一杯攻め込み走り切りゴールするとタイムは1分43秒421。これには1本目トップの鳥居もディフェンディングチャンピオンの川島秀樹も追いつくことはできなかった。連勝を飾った佐藤は、これで今シーズン2勝目。これでポイント数も一気に54ポイントに伸ばし、69ポイントでトップの川島、64ポイントの鳥居ら上位勢との差を詰めた。残る3戦、PN1クラスは激しいポイント争いを展開することになりそうだ。

熾烈なタイムアップ合戦の中でも一つ頭を抜け出し、今シーズン4勝目を挙げた黒木陽介。シリーズポイントでも92点と断トツのトップに立ち続けている。

開幕からの連勝が前戦のスナガワでストップした黒木陽文。N1クラスは、今回もシリーズリーダーの黒木を中心に展開した。1本目1分45秒507の黒木を追い詰めたのは、昨年のチャンピオン内藤聡。コンマ1秒差まで詰めたものの1本目2位に終わる。続く2本目に入ると各車タイムアップ。トップタイムは一気に40秒台にまで跳ね上がる。中でもスナガワで黒木に土をつけた児島泰は、1分40秒350とシード勢にとっても大きな壁となる。児島のタイムは更新されないまま黒木の走行を迎える。だが黒木のタイムアップの幅が児島を上回った。2本目の黒木のタイムは1分39秒288。N1クラスただ一人の39秒台で、今シーズン4勝目を挙げる。第6戦の結果いかんでは、黒木のチャンピオン獲得も視野に入ってきた。今庄で行われる次戦に注目が集まるところだ。

開幕戦以来の今シーズン2勝目を挙げた伊藤益弘。2本目に叩き出した1分37秒771はN2クラスただひとり37秒台のタイムだ。これで伊藤はシリーズポイントを68に伸ばした。

第4戦終了時点でのシリーズポイントランキングは、トップが48ポイントで伊藤益弘、2位には48と同ポイントながら優勝がないため2位の西田裕一。そして3位に東北の佐藤秀昭が46ポイントと接近した争いを続けているN2クラス。今回の切谷内では誰が一歩抜きん出るかに注目が集まっていた。1分43秒334で1本目トップに立ったのは西田、これに地元東北の三上満宏、同じく東北の佐藤秀昭と続く。そしてタイムアップ合戦が始まった2本目。1本目2位の三上が1分38秒872を叩き出しトップに立ちシード勢の走りを迎える。スマッシュ勢の先頭を切って中嶋ケンタローが38秒588でこれを上回る。西田は38秒733とわずかに届かない。38秒台で推移していたトップタイムを一気に更新したのは伊藤。無駄のないライン取りでゴールを走り抜けるとタイムは1分37秒771。これには最終走者の佐藤も追いつけず伊藤の優勝が決まった。伊藤は今回の優勝でシリーズポイントに20を加え68ポイントに。3位に終わった西田が60ポイントとなり、このふたりが抜け出した形となった。

前戦3で止まった連勝から今回は復調で、4勝目を挙げた吉村修一。トップに立った1本目からタイムアップ合戦となった2本目、北島広実を0.106秒かわしての優勝だ。

N1黒木同様、スナガワで開幕からの連勝が3で途絶えた吉村修。だが今回は前戦の戦いがウソのような復調を見せた。1本目1分35秒947とN3ただ一人の35秒台を叩き出しトップに立つ。2本目にも1分32秒455とシリーズランキング2位の北島広実をコンマ1秒かわして完勝。「今回の切谷内で勝てたので、次の今庄でも勝ってチャンピオンを決めたいですね」と表彰台でもにこやかな笑顔を見せた。前戦の9位で北島に次ぐシリーズポイント2位に落ちたランキングも、今回の優勝で逆転。吉村85ポイントに対して北島は80ポイント。完全に二人の戦いとなったチャンピオン争いも、次戦今庄での1戦で決着がつく可能性が出てきた。全8戦中、70%の有効戦数6戦分のポイントで競われる全日本チャンピオン争い。仮に同ポイントとなった場合、優勝回数の多い方が順位は上になる。逆に追い込まれた形になったのは北島。勝利数で追いつくには残り3戦全てで優勝が必要となる。吉村がチャンピオン一番乗りに名乗りを上げられるか。今庄での第6戦は、注目の高い1戦となりそうだ。

毎戦勝者が入れ替わる混沌とした戦いが続くSA1クラス。だが、市村弘義が第2戦以来の優勝を飾り今シーズン2勝目。ランキング3位は変わらないがポイント差がギュッと縮まった。

毎戦入れ替わる勝者にポイント争いも混沌としているSA1クラス。ここまでシリーズポイントトップは、優勝こそないものの全戦で入賞する安定した成績を残している柴田一洋の48ポイント。次いで門前で繰り上がり優勝の山崎利博が40ポイント、そして今シーズン何かと話題の多い市村弘義が30ポイントで3位につけている。開けて決勝1本目、トップに立ったのは市村。1分41秒301はSA1クラスただ一人の41秒台のタイム。2位には42秒100で山崎利博が付け、柴田は44秒157と下位に沈んだ。硬質路面がコース大半を占めた2本目に入ると関沢直人が38秒624、稲葉幸嗣が38秒641と地元東北勢が100分の1秒台でトップ争いを繰り広げる。残るはポイント争いを繰り広げるシード勢の3人。柴田は39秒500まで自己タイムを上げてくるが、これに絡めない。続く1本目トップの市村は1分37秒912で逆転し、37秒台にトップタイムを叩き込んだ。これには昨年のチャンピオン山崎も追いつけず、38秒624で2位に終わった。これで市村は、混沌としたSA1クラスの中でただ一人のシリーズ2勝目。シリーズポイントでも柴田、山崎との差を縮め残り3戦が楽しみになってきた。

2位を1.2秒も引き離す断トツのトップタイムで3連勝を飾った工藤清美。これでシリーズポイントも60ポイントとライバルたちを一歩リードした。

東北の強豪笹本俊が参戦し、8台で争われたSC1クラス。全8台中3台が工藤ホンダからの参戦という地元色の濃い中で、やはり速さを見せたのは第3戦以降全日本に復活し連勝を飾っている工藤清美だった。1本目笹本をコンマ3秒下してトップに立った工藤。2本目に入ると強烈なムチが入った。37秒台で推移していたトップタイム争いから、最終走者工藤が叩き出したタイムは1分35秒823!なんと2位笹本を1.2秒引き離すブッチ切りのタイムで3連勝を飾る。シリーズランキングでも60ポイントまで得点を伸ばし断トツの首位に躍り出た。残る3戦で工藤は初の全日本チャンピオン獲得に乗り出す。

SC3クラスでは1本目2位に付けたスマッシュの代表平塚忠博が、2本目に逆転で優勝を飾る。平塚のダートラでの優勝は、タカタで行われた2004年の全日本ダートラ最終戦以来7年ぶり。

開幕から3連勝を続けていた谷田川敏幸がシリーズリーダーを走るSC3クラス。丹羽政彦が北海道で一矢を報いシリーズ2位に、そして2戦連続で2位と上向き調子のスマッシュ代表平塚忠博が3位につけている。今回は硬い路面が特徴の切谷内。走行順の遅いSC3クラスになると、1本目から超硬質路面用のタイヤを選択できるほど路面の表面は捌けていた。そんな中、1分33秒672でトップに立ったのは谷田川。これにコンマ2秒差でつけたのが平塚だった。「1本目に87Rでいったんだけど、走ってみたら91Rの路面だった。だから2本目に91Rを履いたらあと1~2秒は詰まるかなと思ってた」と平塚。32秒台で推移していたトップタイムを1分31秒046と一気に引き上げる走りを見せる。これには丹羽、谷田川もついて行くことが出来ない。平塚が全日本ダートラで久々の優勝を飾った。見ればSC3クラスに移ってから初めての優勝。「予定通りだね(笑)。元々ラリー屋だから、今日のコースはミックスラリーみたいなもんだよね。サーキットがあってジムカーナがあってダートラがあるような感じ?切谷内は相性がいいんで、勝てるのはココかなって思ってたよ。ダートラで勝ったのはいつ以来かな~? 調べておいてよ(笑)」とは平塚のコメント。調べてみると平塚の全日本ダートラでの優勝は、2004年10月9日にタカタで行われた第8戦で当時のSC2クラス以来。DRSでのアルトやヴィヴィオとの戦い。そしてストーリアでのインプレッサやランサーとの戦いと、数々のチャレンジを続けてきた。ダイハツのモータースポーツ撤退後、自ら立ち上げたスマッシュではメカニックとして代表としてお客さんを連れての参戦となっていた。実に7年ぶりの優勝はスマッシュの仲間たちにとっても嬉しい優勝だったに違いない。

オーバーオールでのトップタイムを刻んだ宮入友秀。今季3勝目を挙げ、炭山義昭とのシリーズリーダー争いでも大量25ポイントのリードを築き、トップを邁進中だ!

有力選手の不参加もあったが13台もの参加があったDクラス。さらに優勝候補筆頭の炭山義昭が第1ヒート途中で棄権してしまう。そうなるとブッチ切りのタイムを見せつけたのは宮入友秀。1本目に1分32秒847で当然のようにトップに立つと、2本目に入ってさらにタイムアップ。1分29秒781のオーバーオールでのトップタイムを刻み、今季3勝目を挙げシリーズポイントでも87と断トツのトップに躍り出た。シリーズチャンピオン獲得に向け、残るイベントは3戦。炭山との一騎打ちになってきた。
続く全日本ダートラ第6戦は、2週間のインターバルを開けて8月20~21日に福井県のオートパーク今庄で開催される。オートパーク今庄といえば、昨年のJAFカップで使用され、ことし全日本が初めて開催されるコース。常に左右に横Gがかかる中でのコーナリングがリズミカルに続く中高速テクニカルコースの印象。だが、それだけにワンミスが結果的に大きなタイム差を生み出すコースだ。全日本選手たちが、どのように今庄を攻略するのか?チャンピオン争いも絡み見所は満載だ。