第8戦 5月24日(日) テクニックステージタカタ
敵は読めない天候!
ダンロップが3クラスを制覇!


次々と変る天候に振り回される事となった第3戦テクニックステージタカタ。

 開幕戦の丸和、そして九州はおおむたの2戦を終え、各選手達が段々とマシンにも馴染み、本格的にシーズンが動き始めたと言える第3戦。そんな今シーズン3戦目の舞台は、ここ近年は最終戦として定番化していた広島県は北部に位置する安芸高田市にあるテクニックステージタカタだ。ここテクニックステージタカタは全日本選手権が開催されるだけあり、コースレイアウトや会場内の設備等も充実しているダートトライアルコースで、ここを攻略するには高いドライビングテクニックが要求される。このコースの一番の特徴と言えるのは硬質なダートにより巻き上がる砂煙。その巻き上げられた砂煙によりマシンが駆け抜けた際の迫力は満点ではあるが、砂煙が消えるまで競技が少々中断する場合がしばし見受けられる。またコース内に設置される立体交差もこのタカタならではの特徴となっている。
 決勝当日、予想外となる昨夜からの雨で空模様はいつ降り出すか解らない状況。心配する雨は早朝に激しく降り出したかと思えばスタート直前に上がり。全く先が読めない天候の中スタートが切られた。この天候を考えダンロップ勢は全車がウエット路面を主体としたタイヤを選択しこのテクニックステージタカタでの戦いに挑む。

ストーリアを駆る佐藤秀昭が強敵ブーン勢を蹴散らし、今季初優勝を獲得。

 ダンロップユーザーが14台中、13台と大半数占めたN2クラス。ここまで開幕戦と第2戦でダンロップユーザーが1位から6位までを独占したN2クラス。今大会もダンロップユーザーのエントリーが14台中、13台と大半数占め表彰式の独占に期待が膨らむ。気になる競技の展開は1ヒート目でチャンピオン原宴司(ブーン)が安定したドライビングで1分53秒530をマークし1本目を終えた時点で暫定トップにたつ。続く午後の2ヒート目では慣れ始めたコースと路面のコンディションが整い始め、各ドライバーがそれぞれ自己のタイムを更新し、優勝はこの2ヒート目の結果で決まりそうだ。そこで遂にベストタイム更新のアナウンスが会場に響き渡った。それはゼッケン075の西田裕一(ブーン)だ。更にはシードゼッケン勢の一人、佐藤秀昭(ストーリア)がベストタイムを塗り替える。そして最終走者の原に注目が集まるがそのタイムは佐藤のタイムにわずかに及ばず、佐藤が今シーズン初の優勝を飾る。表彰台での佐藤は「こんな古い車で優勝できたのも関係者の協力があっての事なので、それに答えられたのが嬉しいです。」とコメントを残した。

遂にダートラ初のランサーエボリューションX初優勝をもたらした吉村修(ランサーエボX。)!

 N3クラスではチャンピオン吉村修が遂に今シーズン初優勝と全日本ダートトライアルでは初となるランサーエボリューションXの初優勝をもたらした。1ヒート目は開幕2連勝中の山野光司(ランサー)が1分45秒762でトップタイムをマーク。吉村はこの山野のタイムに続き2番手で1ヒートを終える。更に路面が引き締まりタイムアップが計れる2ヒート目では優勝に向け最終走者の吉村がスタートを切った。マシンの状態とコースの状態がベストになった吉村は中間計測で2番手タイムをマーク。続く後半セクションでも攻めの走り
を続けついに最後の最後でベストタイムを更新しランサーエボリューションXでの初優勝を飾った。「ニューマシン投入6戦目にしてやっと優勝する事ができました。前戦のおおむたではわずか1/1000秒で優勝を逃した悔しさもあり優勝できて本当に嬉しいです。」と笑顔で語る吉村修であった。

SA-2クラスの途中に振り出した雨により苦戦を強いられた北村和浩(インプレッサ)。

 最多のエントリー数となったSA2クラスで戦う北村和浩(インプレッサ)は1ヒート目を大きなトラブルも無く4番手で折り返す。続く2ヒート目では急に降りはじめた雨によりコースコンディションが悪化。しかし優勝を諦めなない北村は豪快な走りを披露。その結果、2ヒート目は自己ベストを0.32秒更新に成功。表彰台は逃したものの4位入賞を果たす。

雨の中のベストタイム更新!岩田真理(ストーリア)が今季初優勝!

 エントリーが今大会最小の6台で競われたSC2クラス。1ヒート目のドライ路面とは打って変わって、2ヒート目は急に振り出した雨の為、ウエット路面での戦いを強いられる。中々タイムアップが図る事が出来ないと思われた2ヒート目で、何と岩田真理(ストーリア)がベストタイムを更新。1ヒートでベストタイムをマークした青木辰之(ミラ)に大きなプレッシャーを与える。その青木はクラス最後の出走でベストタイム更新するかに注目を集めたが、この状況でのタイムアップはやはり難しく、見事、岩田が2007年第5戦ぶりとなる優勝をその手に納めた。「2年前、タイトルが掛かったここタカタでの最終戦でタイトルを逃してしまったその年依頼、優勝が無かったのでとても嬉しいです」と復活を遂げた岩田が、今シーズンのタイトル争いに名乗りを挙げる。

今シーズン初参戦で3位表彰台をゲットした梶岡悟(インプレッサ)。

 今シーズン初参戦となる梶岡悟(インプレッサ)は、ここタカタがホームコースとあり、本日のダンロップ勢4クラス目の優勝に期待が掛かる。そんな梶岡は1ヒート目で3番手タイムをマークしまずまずのスタートを切る。続く午後の2ヒート目では雨の影響で殆どのドライバーがタイムダウンとなってしまう。梶岡を含む上位陣もタイムダウンを強いられ1ヒート目のタイムが決勝タイムをなり、梶岡は見事3位表彰台を獲得する事となった。


 3クラスを制覇したタカタラウンド。次戦の舞台は大きく場所を替え北海道はオートスポーツランドスナガワで開催。梅雨を知らない北海道で繰り広げるダンロップユーザーの活躍に期待したい。