DUNLOP MOTORSPORT
ドライバー
第2戦 4月15日(日) RASCAL SPRING TRIAL IN KYUSHU
10クラス中8クラス制覇と圧倒的なリザルト!
モビリティおおむたで見せたダンロップの活躍


散水後、黒々とした路面から砂ぼこりがはけた超硬質路面まで。一日のうちで刻々と変わる路面に対応するタイヤ。それこそがダートラでは勝利の方程式となる。

桜前線の北上とともに国内すべてのカテゴリーが開幕。全7戦で争われる全日本ダートトライアルの第2戦は福岡県大牟田市にあるモビリティおおむたで、120台のエントリーを集めて行われた。砂ぼこり飛散防止のため、朝一番にまかれる散水。ダートラ場ではごく当たり前に見られる風景。だが、石炭質の土で構成されるモビリティおおむたでは黒々とした散水直後の路面から砂ぼこりが上がる後半ゼッケンに至るまで路面変化が目にもあきらかに分かる。朝から快晴のなかスタートした今回のイベントでも、出走順にウェット路面用の74Rからドライ路面の87R、そして超硬質路面用の91Rまでバリエーションに富んだタイヤ選択があった。そんな事もダートラ観戦の楽しみ方の一つ。では早速ダンロップ勢の活躍をみてみよう。

地元のベテラン今村宏臣が参戦12年目にして、うれしい全日本初優勝!EP82での初出場以降FFを乗り継いできた今村だが今シーズンはスイフトに乗り換えての緒戦での優勝だ!

2011チャンピオンマシンのスイフトにコルト、ヴィッツにフィット、デミオとバリエーション豊富な参加車種が人気に火を点けたPNクラス。今回も13台のマシンが集まりトップ争いも激しさを増してきた。1本目トップに立ったのはゼッケン5の今村宏臣。地元福岡の今村は全日本勢を圧倒する1分48秒338を叩き出す。2本目にも74Rをチョイスした今村はさらにタイムアップして1分47秒842。このタイムにはライバルたちも追いつけない。EP82~シビック~インテグラとFFを乗り継いできたベテラン。今シーズンから乗り換えたスイフトで、参戦12年目の全日本初優勝。驚きと喜びが一度にやってきた1戦となったことだろう。

シード勢によるコンマ差を削りあう激戦が展開されたN1クラス。2本目に1分44秒127を叩き出した内藤聡のインテグラが逆転で今シーズン初優勝を飾る。

全国各地で開催されるイベントに遠征して参戦する全日本勢。その中でも昨年のシリーズランキング上位の選手だけに与えられる0から始まるシードゼッケン。このシードゼッケン勢を筆頭にして、1秒以内に5台が入るという僅差の争いを展開したのがN1クラス。1本目1分45秒621でトップに立った内藤聡は、2本目に入っても好調な走りで1分44秒127と自己タイムを更新。散水後のウェット路面でもしっかりタイムアップして見せた。2位には児島泰、3位に竹本幸広が入り、N1クラスの表彰式はダンロップ勢が独占した。

2本目に入ってN2クラスただ一人の42秒台を叩きだした伊藤益弘が、今シーズン初優勝。昨年の還暦前チャンピオンに続き、還暦チャンピオン達成に期待がかかる。

エントリー台数6台と少ないながらも激しいトップ闘いを繰り広げたN2クラス。1本目、広島の内海普作が1分45秒612を叩き出してトップに立つ。2本目に入ると各車ドライ系の85Rや87Rを装着して出走。内海は自らのタイムをわずかに更新して1分45秒393だがシードゼッケン勢はそれ以上のタイムアップを目論んでいた。青木辰之が1分43秒275で逆転してトップに立つ。開幕2連勝かと思われたが、昨年のチャンピオン伊藤益弘は青木をさらに更新する1分42秒856と逆転。最終ゼッケンの大逆転劇に歓声が上がる。伊藤はこれで今シーズン初優勝。昨年約束した還暦チャンピオンに向けて満点の20点を獲得した。

速さを見せるスマッシュ勢。北島広実はウェットタイヤで走った1本目、ドライに履き替えた2本目ともにトップを奪う快走を見せた。

こちらもシード選手たちが上位を争ったN3クラス。中でも速さを見せたのがスマッシュの北島広実だ。1本目74Rを装着し、1分37秒080を叩き出してトップに立つと気温の上がった2本目には87Rにチェンジ。1分35秒593まで自己タイムを更新して逆転。2本ともベストタイムでの完全優勝を果たした。2位にはエボX赤羽政幸が入る。速さを増してきたエボX勢だが、軽量なエボIXに今ひとつ届かない。3位にはエボ?の佐藤隆行が入る。N4クラスでも表彰式では上位6台をダンロップ勢が独占した。

1本目には2位に2.3秒もの大差をつけてトップに立った北村和浩。外周を踏み切ったタイムはなんと1本目オーバーオールで2位。勢いに乗り2本目もタイムアップで逆転した。

開幕戦では2位に終わった北村和浩だったが、外周をアクセル踏みっきりとなる今回のような豪快なコース設定ではライバルを寄せ付けない走りを見せる。74Rを履いた1本目に1分33秒706を叩き出す。このタイムは1本目だけでは、なんとDクラスの2番手に入る強烈なもの。SA2クラスの2位には2.3秒もの差をつけるダントツのトップ。2本目には自らが開発に携った87Rで1分32秒345と自己タイムを更新して堂々の完全優勝。大牟田まで駆けつけてくれた北村和浩応援団の前で、にこやかな笑顔で記念撮影に応じていた。今シーズン初優勝を飾りチャンピオン獲得への弾みとしたい1勝だ。

参加台数の減少から2011年は全戦で不成立となったSC2クラスが、1年ぶりの成立。今回は参戦15年目となる宮木健郎が全日本初優勝を飾る。

参加台数の減少から2011年シーズンを通じて不成立となっていたSC2(気筒容量1600cc以下の4輪駆動のSC車両)クラスだったが、今回1年ぶりに成立。昨年までN2クラスを走っていた宮木健郎がトップレベルの走りを見せる。1本目1分44秒994、2本目1分42秒380と他の参加車を圧倒して全日本初優勝を飾る。全日本初参戦以来15年、激戦区を戦ってきた宮木だったがこれまでの最上位は3位。1年ぶりの成立というタイミングと重なったものの、うれしい全日本初優勝だったことだろう。

久々に現行車両の勝利となるかと思われたSC3クラスだったが、最終ゼッケン、エボIXの丹羽政彦が逆転で優勝を飾ったSC3クラス。

14台のエントリーを集めたSC3クラス。このくらいのゼッケンになると、1本目からドライタイヤとウェットを選択する選手が半々くらいになる。1本目トップに立ったのは地元熊本の橋本和信。74Rを履いて1分33秒233のタイムに続いたのは、87RをチョイスしたSC3ただ一台のエボXで昨年のN3チャンピオン吉村修。2本目に入ると後半ゼッケンの車両は、超硬質路面用の91Rを選択。タイムアップの期待がかかるなか、吉村は1分32秒990を叩きだしトップに立つ。エボIXを駆る平塚忠博も肉薄するが1分32秒992とわずかに届かない。最終ゼッケン丹羽政彦がゴールするとタイムは?1分32秒886! 丹羽が大逆転で今シーズン初優勝となった。

1本目の路面状況にドンピシャリで走りを合わせてきた炭山義昭が、そのまま逃げ切って開幕戦2連勝を飾る。これでダンロップ勢は成立10クラス中8クラスを制覇!

今シーズンからダンロップに加わった炭山義昭がドンピシャリのタイヤ選択を走りに見せた。1本目の炭山のタイムは1分31秒443!2位に3.2秒の大差をつけるスーパーラップにライバルたちも度肝を抜かれたに違いない。2本目に入って87Rから91Rにタイヤを変更した炭山。所々でミスがあり、タイムダウン。だが1本目の炭山のタイムを抜く選手は現れなかった。これで炭山は開幕2連勝。チャンピオン奪還に向けて一気にスタートダッシュをかける。ダンロップ勢が成立10クラス中8クラス制覇と圧倒的なリザルトを見せてくれた今回。全日本ダートラ第3戦は、5月27日北海道のオートスポーツランドスナガワで行われる。ぜひ観戦に来てほしい。