第2戦 2008年4月19日(日)モビリティおおむた(福岡)
初戦に続きダンロップ勢が3クラスを制覇!
その内、2クラスで開幕2連勝を達成!



 今年も全日本ダートトライアル選手権、第2戦の舞台は昨年と同じく九州は福岡県の最南部に位置する大牟田市のモビリティおおむたで開催された。ここモビリティおおむたはモータースポーツでは珍しく海に面した立地で、吹き入れる風には潮の香りが感じる会場でダートトライアルコースをはじめ、ジムカーナコースも併設する九州随一のモータースポーツ施設である。そのモビリティおおむたのコースの特徴と言えば、緩やかにカーブする2本のストレートとこれを繋ぐ細かなカーブを複合するコースとなる。このコースをどの様にレイアウトするかは、開催当日の朝まで解らない。
 気になる天候だが雨の心配が全く無く、正午の時点で気温は既に23.3度と春を通り越す暑さが感じられた。その上昇する気温を考慮してからかコースコンディションはスタート前の散水車により、かなりのウエット状態でスタートが切られた。これにより全車ウエットに対応したタイヤをチョイスしてスタートを迎える事となった。

開幕2連勝の原宴司(ブーン)。泥状態の路面だろうがトップタイムをマーク!

 開幕戦に続いてダンロップ勢による1位から6位までの独占劇が繰り広げられたN2クラス。またも表彰台の最上段に立ったのはやはりこの人、ディフェンディングチャンピオンの原宴司(ブーン)だ。このクラスは勝負の掛かった2本目でダンロップ勢はシードゼッケン勢とノンシード勢のタイヤ選択の違いが明暗を分けた。午前中の1本目では朝からコース上への散水によってウエット状態のコンディションの中、殆どが一般ダートから泥ねい路をカバーするDIREZZA 74Rを選択。そして2本目、シード勢は昼のインターバルに再度、コース上に散水された事で1本目と同じくDIREZZA 74Rを選択。ノンシード勢は自分達の走行までにコースが乾くと判断しSP SPORT 85Rを履き勝負に出た。しかし結果はシード勢のタイムに届かず競技が終了。走り終えてみればチャンプ原がただ一人42秒台に突入する1分42秒873で完全優勝を飾った。

こちらも開幕戦に続き表彰式を独占する黄色い帽子のダンロップ勢。

 開幕戦に続いて2連勝を達成した原宴司(ブーン)は「1本目より2本目のほうがコースコンディションは良かったです。2本目はやや滑るところもあって苦労しました。それと何より嬉しかったのは同じクラブ員の山岡功明(ブーン)が5位に入賞した事です。」と後輩思いのコメントを残している。

豪快な走りで開幕2連勝を達成した山野光司(ランサー)。昨年とは一転、今シーズンはポイントリーダーでシーズンをリード。

 N3クラスのエントリーは全19台。第2戦での最多エントリーとなったSA2クラスの27台に続き2番目のエントリー台数で競われ、このN3クラスでもダンロップユーザーが大活躍する事となった。シードゼッケンNo.066を付ける影山浩一郎(ランサー)がまだ整わないコースコンディションの中、DIREZZA 74Rを選択し1分39秒667で2番手タイムをマーク。これに続いたのが開幕戦の丸和で全日本初優勝を飾った山野光司(ランサー)、景山と同じDIREZZA 74Rを選択し3番手に付ける。続く2本目ではコースコンデョンに問題は無く、ここで殆どのダンロップユーザーは一般ダートから軟質ダートを主体とするDIREZZA 86RWへ履き替えアタックを開始。開幕戦から好調の波に乗る山野はここまでのベストタイムを持つ岡島和也(ランサー)の1分37秒007を破り1分36秒32のベストタイムでトップに立つ。このタイムを更新し優勝を狙うシードゼッケン勢はこの山野のタイムを破る事が出来ない。そしてクラス最終走者のディフェンディングチャンピオン吉村修(ランサー)がスタートラインに並ぶ。吉村は他のダンロップユーザーと違い硬質ダート主体のDIREZZA 86Rで勝負に出る。しかしチャンプ吉村でも好調の山野のタイムに0秒014届かず2位に留まる。この結果、山野光司が初優勝の開幕戦に続き連勝を成し遂げ、2位には吉村が続きダンロップ勢のワン・ツーフィニッシュを達成した。

開幕戦では初優勝、続く第2戦で連勝を飾る山野の顔から終始笑みが絶えない。

 うれしい連勝を飾った山野は「2本目のタイヤ選択がベストマッチしました。この勢いで次戦のテクニックステージタカタ・広島でも優勝を狙います。」と強気のコメント。開幕戦の初優勝から実力を開花させた山野が、今シーズンの台風の目となるだろう。

車両は小さいがその走りは迫力十分! 伊豆田は昨年に続き九州ラウンドを完全制圧!

 SC2クラスでもダンロップユーザーがワン・ツーフィニッシュを達成。決勝は6台と最も少ないエントリー台数で闘う事となるが、しかしその争いは激戦となる。1本目でトップに立ったのは昨年もここモビリティおおむたで優勝を飾った伊豆田浩三(アルト)だ。伊豆田を含む3人のダンロップ勢は全車湿ったコース状況を考え他のクラス同様にDIREZZA 74Rを選択し3番手に川口つぐみ(アルト)、4番手に岩田真理(ストーリア)と続いた。コースコンディションが大きく変わった2本目では使用タイヤの選択を伊豆田、川口の二人はSP SPORT 85-Rを岩田ひとりがDIREZZA 86Rを選択。
この中で最初に走行する川口が自身の1本目のタイムを3秒以上縮める1分37秒001でトップに立つ。続く岩田は川口のタイムに0秒402届かず暫定で2番手。そして1本目トップの伊豆田がコースイン、その走りに大きなミスは見られずゴールラインを通過。そのタイムは川口のベストを1秒以上も上回る1分35秒916で暫定トップへ浮上。そして最終走者は開幕戦で優勝している青木辰之(ミラ)もミス無くゴールラインを通過。注目のタイムは1分37秒390と3番手止まりだった。これでN3クラスに続き伊豆田、川口のダンロップ勢が1位と2位を獲得した。

次戦の広島への強い意気込みを語る伊豆田浩三(アルト)。

 優勝した伊豆田は「昨年に続きここモビリティおおむたで優勝する事ができました。次戦のテクニックステージタカタも昨年優勝しているのでそこで是非、優勝したいです。」と次戦への意気込みを語った。


 3クラスを制する事となった九州ラウンド、次戦は5月24日の広島県テクニックステージタカタまでシーズン最長となる5週間のインターバルを挟む事となるが、そこで巻き起こすダンロップ勢の大活躍に期待したい。