雨中の開幕戦、ダンロップ勢3クラスでポディウムの頂上へ!


第1ヒート終了後の参加ドライバーによる完熟歩行、雨のなか多くのダンロップパラソルが開く。

前週の全日本ジムカーナに続いて2009年シーズンの開幕を迎えた全日本ダートトライアルは今シーズンも全8戦。開幕戦の舞台は昨年と同様2本の長いストレートを持つ栃木県の丸和オートランド那須。「ケンミレニアム」の冠がついた大会も今回で4回目、厳しい経済状況のなか160台のエントリーを集めたのは明るい話題だろう。土曜日の公開練習の晴天から打って変って朝からどんよりした雲が上空を覆うのだが、予報では午後の2ヒート目まで雨は降り出さずに済みそうだ。標高が高いのだが1ヒート目スタート時の気温は11度とやや高め。路面のコンディションはドライだったが朝の散水で若干ウェットなコンディションとなっている。

2ヒート目、圧巻の走りで逆転勝利した原宴司

朝から2番目に出走するN2 は1600cc以下ナンバー付き4輪駆動のクラス。予報では持つはずの雨が早くも降り始めたのだが、もともと路面は朝の散水作業のためセミウエットが予想されたのか大勢には影響ないようだ。シードのドライバーは多くがウェットで最高のポテンシャルを発揮するDIREZZA 74Rを選択、気難しいコンディションに立ち向かっていった。この1ヒート目でディフェンディングチャンピオンの原宴司(ブーン)がミスを犯し、4位に沈んでしまう。午後からの第2ヒートでは朝以上の降雨が予想されることから、厳しい立場に追い込まれることになった。こんな中、伊藤益弘(ブーン)が唯一1分44秒台のタイムをマーク、久しぶりの勝利へ一歩前進した。

2ヒート目の逆転を信じて、原は勝利をゲット!

そして午後からの2ヒート目、予想通りの降雨で路面は完全なウェット、轍には水たまりができ、多くのドライバーがタイムダウンに苦しむ。そんななかN2クラス最終走者の原が、驚異の1分43秒605を叩き出し、2位伊藤を1秒近く引き離す大逆転で開幕戦の勝利を収め、しかも5位までをダンロップ勢が独占することとなった。「1本目より路面はウエットでしたが、これ位のコンディションのほうがDIREZZA 74Rには合っていると思いました。前走のN1クラスでもタイムアップしていた選手がいたので、必ずベストタイムが出せると信じて走りました。」と原は勝因を締めくくってくれた。

集中力あふれる走りで、全日本初勝利の山野光司

出場車のほとんどをランサーが占める、1600ccを越えるナンバー付き4輪駆動クラスのN3。ダンロップ勢の多くがDIREZZA 74R をチョイスした第1ヒート、ノンシードの信田正晴が1分38秒910で1番時計をマークするのだが、これを同じくノンシードの佐藤隆行が逆転しトップに浮上する。このあとシードゼッケン一人目、影山浩一郎がアタック、しかし2番手タイムどまりで佐藤を上回ることが出来ない。次に出走する山野光司が1分36秒874で佐藤を1秒以上も上回るベストラップを記録しようやくトップ奪回に成功する。このあとも山野のタイムを破るものはなく山野が午前中暫定1位の座に就くこととなった。

山野は初勝利から、連勝街道を突き進めるか!

午後の2ヒート目はN3クラス出走の時間になると雨の勢いも激しさを増し、出走順が遅いほど、コース上の水たまりでコンディションが悪化、優勝候補の上位陣においてもタイムアップを果たすドライバーはなく、1ヒート目ベストの山野がそのまま念願の全日本初勝利を遂げることとなった。「チームメイトがとても喜んでくれて感激しています。難しいコンディションでしたが、DIREZZA 74Rのトラクションは抜群でした。次も連勝目指して頑張っていきます。」と山野は全日本初勝利をかみしめていた。

貫禄の走りで、開幕戦を制した工藤清美

ナンバーなし改造2輪駆動クラスのSC1のスタート時間になると、1時間ほど前から降り続いた雨により、コースコンディションはどんどん悪くなっていく。最初にスタートする、ノンシードの荒井辰夫(レビン)がまずは1分48秒216を記録するのだが、このタイムを上回るドライバーがなかなか出てこない。これをシードゼッケン最初の太田雅文(ランサー2輪駆動改造)がコンマ2秒上回りようやくトップに浮上する。これに続いてゼッケン033の工藤清美(シビック)がアタックを開始、タイヤはやはりウェット路面で実力を発揮するDIREZZA 74Rをチョイスしている。その工藤は2輪駆動には厳しい、滑るコースで上手くマシンをコントロールし続け1分47秒065を叩き出す。これで太田をコンマ3秒逆転する1ヒート目のトップタイムをマークした。

厳しい追い上げを跳ねのけ、工藤は開幕戦優勝

午後からの2ヒート目はN3クラス同様、コースのラインは多くの水たまりでコンディションが悪化、ラインを外して土手に接触するマシンも出てくる始末で、上位4台にタイムアップを果たす選手は現れず、そのまま工藤が開幕戦を勝利で飾ることとなった。「今日はここ丸和に自信を持ってやってきたのですが、後続のプッシュが厳しく苦労しました。DIREZZA 74Rのおかげで滑りやすい路面を安心して攻めることができました。」と工藤は勝利の言葉を語ってくれた。

今回の開幕戦は時折激しい雨が降るなか2輪駆動と4輪駆動の両クラスで勝利を収め、ダートにおけるダンロップタイヤのポテンシャルが発揮できた一戦となった。次戦は福岡県の大牟田、再びダンロップユーザーが大活躍するシーンを期待したい。