第5戦 8月29日(土) エビスサーキット
日比野哲也選手が準優勝!

惜しくも予選不通過だった林選手

 早くも後半戦に突入した2009年のD1グランプリ。第5戦と第6戦は8月29日と30日に連続して決勝が行なわれる『デュアルファイナルズ』で、シリーズ争いの行方を占ううえでも重要なラウンドだ。戦いの場所は開幕戦と同じく、福島県のエビスサーキット。ダンロップワークスは野村謙が1位、日比野哲也が4位とシード入り。予選には古口美範・箕輪慎治・林渡・猪瀬徹・小畑仁宏が挑み、猪瀬は10位で1回戦へ進出する。古口も15位で予選をパスするが、箕輪・小畑・林は1回戦へ駒を進めることはできなかった。ほか、ダンロップユーザーの加藤貴也も19位とギリギリながら予選を通過する。

“帝王”古口、無念の1回戦敗退

 1回戦は29日の11時からスタート。天候は朝から曇りだったが、路面は完全なドライ。猪瀬は迫力・速度とも申し分ない走りを披露し、3位でベスト16入りを決める。その後シード組が走り出す頃になると雨が降り出し、ウォームアップのため一時中断に。再開後、まさに“水を得た魚”だったのは日比野だ。パワー差の出にくいエビス南、さらにウエット路面ということで実力を存分に発揮する。2本ともノーミスで決め、なんとトップで1回戦を通過! 続く野村も卒のない走りで5位にランクインし、ダンロップ勢は3名が上位でベスト16に勝ち上がった。しかし古口選手は、残念ながら25位に沈む。加藤も16位で初めてのベスト16進出!

猪瀬徹選手vs末永正雄選手

 ベスト16は日比野と加藤という、ダンロップ勢どうしの対戦で幕を開けた。日比野の好調は決勝でも変わらず、初のベスト16進出を果たした加藤選手を寄せ付けず、貫禄勝ちでベスト8に。野村はFD3Sの高山健司選手と対戦し、シードの底力を見せ付けて圧勝する。久々の決勝進出となった猪瀬は、ランキング10位の末永正雄選手と対戦。先行の1本目は圧倒的な速度で2コーナーに飛び込むが、インフィールドでは懐に食い込まれてしまう。2本目も2コーナー手前でドリフトが戻ってしまい、惜しくも姿を消した。


野村謙vs今村陽一選手

 10分間の休憩を挟み、ベスト8がスタートする。日比野と黒井選手の対戦は、先行の日比野がとんでもない速度で最終コーナーを飛び出し、黒井選手は思わずラインを乱してしまう。後追いの2本目もハイパワーの黒井選手にまったく引けを取らず、審査員は全員一致で日比野にアドバンテージ。真っ先に準決勝への進出を決めた。野村と今村選手は一歩も引かないバトルを繰り広げ、3本目のサドンデスまでもつれ込む。先行の野村にミスはなかったが、今村選手が2コーナーから深く食い込んでくる。それが決定打となり、後追いで挽回を試みるがわずかに及ばず。開幕戦に続いてのエビス制覇は果たせなかった。


日比野哲也選手vs今村陽一選手

 準決勝で日比野が対戦するのは、追走に驚異的な強さをみせる今村選手。まずは日比野選手の先行で戦いの火ぶたが切られた。NAのハチロクとは思えないスピードで最終コーナーを飛び出し、1~3コーナーもパワーに勝る今村選手を寄せ付けない。「ハチロクがシルビアを引き離すなんてあり得ない!」と審査員を驚かせ、アドバンテージを得る。後追いでも逆転を狙ってベストな走りを見せた今村選手に対し、まるで動じることなく落ち着いたドリフトを決め、岡山国際サーキットでに第3戦に続き、決勝進出を果たした。

日比野哲也vs末永正雄選手

 決勝はランキング10位、末永選手との対戦。今シーズンは不調が続いている末永選手だが、スピードを信条とする走りは日比野と同様で、決して気を抜けない相手だ。1本目は日比野が先行。最終コーナーで強烈なジャンプを決め、着地でもまったく姿勢を乱さず1~2コーナーに進入した。しかし、誰もがついて来れなかった日比野のスピードに末永選手は懸命に食らい付いてくる。若干のアドバンテージを奪われ、勝負は2本目に。1~3コーナーは互角だったものの、4コーナーでわずかに引き離されてしまう。本当にわずかな差だが、軍配は末永選手に上がった。


エース野村謙選手の走り

 優勝こそ逃したが、非力なNAのハチロクでターボ勢を次々に破った日比野。シリーズランキングも3位に浮上し、チャンピオン争いにも参入した。また野村選手もベスト8に終わり、ランキング首位を手塚選手に譲り渡したものの、4ポイント差で2位。ダンロップワークスを支える武器、『ディレッツァスポーツZ1スタースペック』も高い路面温度や一時的な雨によるウエットにも難なく対応し、ドライバーを見事にサポートした。翌日に開催される第6戦では、再び大勢の観客を沸かせる走りを披露してくれることだろう!

準優勝の日比野哲也選手

「開幕戦のエビスでは予選落ちしちゃいましたから、なんとか上位を狙おうと頑張りました。ハチロクと相性のいいサーキットだとは思いますが、やはりハイパワー車を相手に戦うのは厳しいですね。明日の第6戦も頑張りますので、応援を宜しくお願いします!」
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ニュルブルクリンク2014