第1戦 3月25日(日) エビスサーキット
Rd.1 Report

ウェット路面で完璧な走りをする野村選手

 3月24日、エビスサーキット。2007年のD1グランプリは、数々の名勝負を生んだドリフトの聖地で幕を開けた。ダンロップワークスは昨シーズン同様、野村謙選手と日比野哲也選手。昨年シリーズ2位を獲得した野村選手、また後半メキメキと調子を上げた日比野選手ともに、さらなる飛躍が期待される。

予選で気迫の走りをする日比野選手

 24日には予選が行なわれた。シードの野村選手は無条件でパス、21名という狭き門を通過するため日比野選手がコースイン。昨年はシーズン途中のマシン変更などで本来の力を発揮できなかったが、「今年は違うぞ」と言わんばかりに1本目から99.5点を叩き出す。そして2本目は99.6点、3本目は100点満点という完璧な走り。速度も全参加者中2位の118㎞/hで、見事トップ通過を果たした。


野村VS斉藤

 ベスト16を迎えるころ、路面は午前中の雨が嘘のようなドライコンディション。1回戦を4位で通過した野村選手は、同じ4ドア使いである斉藤太悟選手との対戦だ。野村選手の先行では、両者ともまったく譲らず採点はイーブン。

2本目は1コーナーで野村選手が食い込み、相手のアンダーを見逃さず3コーナーでオーバーテイク。そして日比野選手が対するのは、BMW・M3を駆る田中有紀夫選手。マシンの戦闘力も不明な相手だが、先行は持ち味のスピードを活かし6:4で先取。2本目が圧巻だった。2コーナーで懐に飛び込むと、そのままラインと角度を維持し3コーナーでパス。奇しくも野村選手と同じパターンで相手を降し、ベスト8へ進出した。

野村VS手塚

 そしてベスト8、野村選手の相手はR32スカイラインの手塚強選手。まずは野村選手の後追いでスタートする。最終コーナー、野村選手は凄まじい勢いで飛び込むも3コーナー手前で少しカウンターが戻り4:6。しかし2本目はスピード、角度ともパーフェクトに決めてサドンデスへともつれ込む。まさに意地と意地のぶつかり合い。1本目と同様に鬼気迫る飛び込みを見せるが、食い込みすぎが仇となり3:7とリードを許してしまう。続く先行はノーミスで決めたものの、逆転するには至らず準決勝進出はならなかった。

日比野VS末永

 残るは予選と1回戦で100点満点を記録した日比野選手だ。同じくスピードを重視するスタイルの末永正雄選手が相手とあって、軽い接触などを重ねながらサドンデスに突入する。勝負が動いたのは3回目の先行。いつもと同じ速度で飛び込んだが、激しいバトルで集中力が途切れたか3コーナー手前でスピンを喫してしまう。それが決定打だった。惜しくもベスト8に終わったダンロップワークス。しかしながら、野村選手の今までにないアグレッシブさ、日比野選手のスピードと正確さを兼ね備えた走りなど、明るい材料は多い。第2戦以降の戦いからも目が離せない!


(Photo:M.Fujii / Text:Sato)
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ニュルブルクリンク2014