●第1戦 第2戦 第3戦 第4戦 第5戦 第6戦 第7戦
2008年度D1第1戦エビス報告



NEWエンジンにで挑みます


車両について
長いようであっという間だったシーズンオフ?も終わり、いよいよD1グランプリ2008年シリーズが開幕となりました。昨年に続きER34(青フレームの2号車)で参戦となりますが、初戦から大幅に仕様変更を行いました。昨年の仕様より高回転寄りの特性に振ったニューエンジン(ちょっぴりバルタイを上に)を搭載し、タービンもK27 3470MOJ#11からK5-700R#7に変更しました。また、タイヤも新発売になった「DIREZZA SPORT Z1 STAR SPEC」になり、フロントのサイズを245/40/18から255/35/18に変更して、よりクイック&角度にも耐えられる動きを実現しました。(これは野村さんからの提案で、試してみたら凄く良くなったのです!)心配の残るミッションもオーバーホールを行い、初戦からトラブルで敗退することだけは無いように万全の状態で臨みます!
エビスサーキット南コースは3月上旬に路面の全面改修を行っており、全体的に路面μが上がっています。足回りについてはほぼ同じセッティングですが、現場での微調整や走り方の見極めを如何に早くできるかが・・・今回のカギになってきます。

修復作業は遅くまで続いた

27日(木) 練習走行日
木曜日は非公式な練習走行日です。翌日の金曜日は天気が下り坂のようなので、この日一日でエンジン、足回りのセットアップを行わなければなりません。組んだばかりのエンジンがどう言うフィーリングか、新しい路面やタイヤに対して足回りのセッティングは?と言うところで、・・・悪夢のような出来事が起こります。コースインしてわずか5周ほどでしたが、2コーナー端のコンクリートウォールに前からクラッシュしてしまったのです・・・。ボンネットまで完全に「くの字」になり、ラジエーター、インタークーラーは使い物になりません。幸いにも展示用のスペアカーがあったので、部品はそちらから移植すれば何とかなりそうですが、ボディは板金屋に持ち込まないと修復は不可能な状態です。・・・まぁ、まだ木曜日です。あまり落ち込まず、前向きに!・・・たぶん直るからっ!!

なんとか修復完了

28日(金) D1グランプリ公式練習走行日
天気予報通り、この日は雪から雨にかわる天気となりました。土曜、日曜日は晴れる予報だったので、無理をして走らずに車両の修復に専念します。東京の会社から送ってもらったバンパー、ヘッドライト、ラジエーターを取り付け、本番車両、スペアカー共に何とか形にはなりました。近くで見なければ、何事もなかった感じなのでOKでしょ!!

慎重に走行を重ねる
29日(土) D1グランプリ予選
予選日は快晴になり、ドライコンディションのなか始まりました。木曜日、金曜日と全く走行ができていない僕らにとっては、この日が貴重な練習走行日となります。何としてもノントラブルで走り切り、翌日の決勝に向けて全てのデータを収集しなければなりません。チーム一丸となってエンジンのセッティング、足回りのセッティングを短時間で終わらせ、少ない時間ながらも野村さんが走りに集中できるような状態まで車両を仕上げました。幸いにも新しいエンジンとタイヤ(Z1 STAR SPEC)は絶好調のようで、あとは翌日の決勝を待つのみです!

快晴のエビスサーキット

30日(日) D1グランプリ決勝
気温こそあまり上がりませんでしたが、春らしい穏やかな快晴の天候の中、いよいよD1グランプリ第1戦の決勝がスタートです。木曜日のクラッシュの影響も無く、野村さんは順調に朝の練習走行を消化していきます。早朝から大勢の観客が訪れ、まさに超満員の状態で、開会式が始まりました。

100点見事な走り!
1回戦
審査基準は予選とほぼ同じですが、ストレートの壁際のアウトクリップが1m以内と厳しくなり、同時に審査員席前から測定しているスピードが113km/h以上でなければならないと言うことが決勝日の追加点となりました。当然、ストレートを車速重視で来ると角度は浅くなり、迫力は欠けてしまいます。いつものように角度とスピードと言う、両立するのが難しい課題をクリアしなければベスト16には残れません。
この若干変わった審査基準に合わせるため、朝の練習走行のデータを基に、リアの足回りとタイヤエアーのセッティングを変更して、よりトラクション重視で車速を伸ばす作戦に切り替えます。

最初の1本目は抑え気味にして、ある程度の車速と角度でまずは無難に高得点を狙います。
結果は113km/hの99.9点です。
続く2本目、今度は車速重視のスタイルです。当然ストレートの車速は上がりましたが、かなり浅めの角度になって、122km/hの99.5点です。
うーん、これだとやっぱりちょっと・・・うさん臭いかも。

最後の3本目は野村さんらしい、派手なスタイルで走ります。
今度は角度を大きく付け、車速も迫力も十分!飛び出ちゃう!!と思う位のギリギリの走りで、結局、118km/hの100点を獲得し、見事に2位で1回戦を突破しました!
さすが野村さん!!

ゼロクランとの4ドア対決

追走
ベスト16初戦の相手は、今回から新車を投入したBee-Rゼロクラウンに乗る時田選手です。車がまだ完全に仕上がっていないと言うコメントをしていたものの、全く油断はできません。ここで負けると第2戦でシード落ち・・・そんなプレッシャーがいつの間にか野村さんに襲い掛かります。野村さんが先行でスタートし、時田選手も素晴らしい走りを披露します。1本目・・・殆ど差はありません。続く2本目、野村さんは若干の間隔を開けて最終コーナーを飛び出し、2コーナーで詰め寄りますが全体的に走りに焦りが見えてしまいます。このままでは微妙な判定に・・・と思っていた4コーナーの出口で、時田選手は痛恨のアンダーステアです。ここで野村さんの勝利が決まり、まずはベスト8に進出です!

続くベスト8はまたしても同じ4ドア対決となる、グッドイヤーレーシングWithドゥーラックの高橋選手です。野村さんは先行、後追い共に若干の焦りが見えて力が入ってしまった感じがありましたが、高橋選手も同じく最後の4コーナーで痛恨のシフトミス!野村さんは運も味方につけ、そのままベスト4へ進出です!

ベスト4ではチームオレンジ田中選手との対決となりましたが、緊張感の解れた野村さんは、いつものような攻めの走りに徹します。「やっと楽しくなってきた」と言いながら、お互いに一歩も譲らない勝負を繰り広げます。再戦の1本目、田中選手も同じく4コーナーでシフトミスをし、これが決定打になって野村さんの決勝進出が決まりました。今回は何だかラッキーかも!!ここまでの対戦は全員が4コーナーでミスをすると言う、運も味方につけた結果で勝ち進んできましたが・・・後は前年度チャンピオンの川畑選手だけです!!!

川畑選手との激しい攻防

決勝戦
最後の相手は角度とスピードを武器に勝ち進んできた川畑選手です。今回の川畑選手の対戦を見ていると、最終コーナーからストレートでの角度勝負になることが分かっていました。川畑選手は後追いでも物凄い角度で詰め寄り、ことごとく相手を撃破してきました。川畑選手にアドバンテージを取られないためにも、野村さんは角度で勝負するしか方法はなかったのです。
1本目、川畑選手が先行で角度は川畑選手に分がありましたが、野村さんは2コーナーにかけて詰め寄り、判定は五分です。2本目、野村さんが先行でお互いに物凄い角度で進入し、2コーナーで川畑選手に詰め寄られますが、3コーナーから先で引き離し、ここでも判定は五分です。そのまま勝負は再戦へ突入し、1本目、深く角度を付けた川畑選手に対して野村さんは同じような角度で進入して2コーナーで詰め寄りますが、川畑選手は失速して若干インを閉めた形になり、野村さんのアドバンテージです。再戦2本目、野村さんはストレートで若干戻り気味になってしまい、今度は川畑選手が逆にアドバンテージを取ります。ここでまたしても勝負は再戦へ・・・。再戦3本目、川畑選手に対して、今までと同じ様に詰め寄りますが、完全に入りきれず判定は五分です。入れ替えて野村さん先行時、川畑選手は最後の勝負に出ました。物凄い角度で1コーナーに飛び込み、そのまま3コーナーまでインに食らいつきます。この川畑選手の物凄い走りで、長い戦いの決着がつきました・・・。

スタースペックデビュー戦で見事準優勝

第1戦まとめ
今回のエビスも色々とありましたが、チーム全員で力を合わせ、何とか乗り切って良い結果を残すことができました。新しく造ったエンジンも上々で、エビスのコース特性にうまく合わせたセットアップが功を奏したのだと思います。又、今回から投入となった「DIREZZA Z1 STAR SPEC」はグリップ力が上がっていることは勿論、摩耗が少ないのも特徴です。今までは追走ごとに交換していたリアタイヤですが、今回はベスト16からベスト4までの対戦をたった1セットで乗り切り、決勝までをわずか2セットで戦い抜きました。次の富士スピードウェイは何故かあまり相性の良くないコースですが、新しくなったエンジンとタイヤを武器に良い結果を残せるよう頑張ります。初戦を準優勝で終えた勢いで、今年こそシリーズチャンピオンを目指しますので、今年も応援よろしくですっ!!